内容説明
昭和の大建築家は、どんな父親だったのか?――広島平和記念公園、国立代々木競技場、東京都新庁舎、赤坂プリンスホテル新館、草月会館、東京カテドラル聖マリア大聖堂、フジテレビ本社ビル……。時を超越する壮大な建築のアイデアは、いったいどこから生まれてきたのか。父親として、師として、時間を共有してきた著者だけが知る「巨人」の素顔。
●父はあまり口数の多い人ではなかった。しかし、私の心に刻まれている言葉は、いくつもある。なかでも、一番印象深いのは、「七十二時間、集中しなさい」 七十二時間とは、三日間である。寝ている間も集中するのかと、ききたくなる。実際にたずねたことはないが、父は、「もちろん」と、こたえるだろう。
父は、いつも飄々とし、浮き世離れした空気を漂わせていた。その一方で、何か口にすると、周囲にピリッとした緊張が走ることもあった。父が、そうした様子だったのも、頭の中で四六時中アイデアを煮詰めていたからだろう。(中略)
正直なところ、七十二時間も集中し続ける自信は、不肖な息子の私にはない。しかし、父の大きな業績は、集中力の積み重ねからなっていることを、私はよく知っている。私もまた、一時間でも長く集中し、アイデアを練り上げようと思う。そうすることが、少しでも父に近づくことなのだから。――<「はじめに」より>
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Holy Boon
2
個人的に、建築家はどうあるべきか、ダンディズムについて感銘を受けた。図書館で借りて読んだが、再読確定なので、折を見て購入しようと思う。2016/12/06
たいぞん
1
丹下先生はすごい。日本の伝統様式を最新の建築技術を用いて実現していく美しさ。特に広島平和公園のピロティが日本の高床式住居からきてるという発想力は圧巻でした。2020/05/25
michiko**
0
建築家、丹下憲孝さんが、昭和の大建築家、丹下健三さんから生活の中で、仕事の中で、言葉で背中で行動で教わってきたことが書かれている本。建築に限らず、使命を全うするとは、どういうことかなどを考えさせられる。「男とは父親をちゃんと送り出せるかどうかで決まるんだよ」「万事、きれいでなければならない」「女の気立ては男が作るもの」など、記憶に残る男前な言葉が満載。そして、美とは?美意識とは?それを、カタチに創り上げるとは?そこは、ぜひ、この本を手に取って読んでみていただきたい。わりと、入りやすい入り口の本。建築家さん2016/05/03
fuku
0
仕事、家族に愛情を感じた。赤坂プリンス残ればなぁ2014/08/15
LUX
0
コクーンタワーだいすき2014/05/17
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