集英社学芸単行本<br> MOCT 「ソ連」を伝えたモスクワ放送の日本人

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集英社学芸単行本
MOCT 「ソ連」を伝えたモスクワ放送の日本人

  • 著者名:青島顕【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 集英社(2023/11発売)
  • 集英社 夏デジ2025 ポイント30倍キャンペーン(~8/18)
  • ポイント 540pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087817478

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内容説明

【2023年 第21回開高健ノンフィクション賞受賞作】
MOCT(モスト)とは、ロシア語で「橋」「架け橋」のこと。

カバーの写真は、モスクワ市ピャートニツカヤ通り25番地にあったモスクワ放送。
その6階に「日本課」はあった。
東西冷戦下、そこから発信される日本語放送。
その現場では、少なくない数の日本人が業務を担っていた。
彼らはどんな人物だったのか。
そして、志したのは報道だったのか、
プロパガンダ(政治的宣伝)だったのか。
それとも、両国に「MOCT(架け橋)」を築くことだったのか……。

(登場人物の一部)
・東側ではご法度のビートルズを流した元民放アルバイトの男。
・戦時中、雪の樺太国境を恋人と越境した名女優。
・シベリア抑留を経て、迷いに迷って残留した元日本軍兵士。
・ソ連亡命後に帰国。ロシア語学校を開設し、後進の育成に尽力した、謎のロシア語使い。
・ラジオを愛して、早逝した女性ロック歌手。
・「とにかく酷い目にばかり遭った。それでもロシアを信じたい」と語るアナウンサー。
……など。

【選考委員、大絶賛】
書き手の静かな理性の膂力(りょりょく)に触れた読み手の心は、快い驚きに満たされずにはいられない。
――加藤陽子(東京大学教授・歴史学者)

ソ連(ロシア)の国策メディアであるモスクワ放送にかかわった日本人たちの有為転変を丹念に浮き彫りにしていて、最も好感が持てた。
――姜尚中(政治学者)

反ロシア一辺倒の時代だからこそ、争いから独立した市民レベルの「MOCT(架け橋)」を考える本作。未来へと続く橋となった。
――藤沢 周(作家)

どんな厳しい制約がある時代にも架け橋になろうともがく人たちがいる。青島記者もそのひとりかもしれない。
――堀川惠子(ノンフィクション作家)


(選評より・五十音順)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kan

31
モスクワ放送のプロパガンダ翻訳放送も誰かが担わなければいけないことで、むしろ架け橋になるよう願いながら時代の空気も伝えようとする人たちがいたようだ。興味深いエピソードが多く、特に東一夫さんや川村かおりさんの話が印象的だった。日本人監視役の存在や、私生活や本名が不詳な人など、ロシアのいつもの諜報活動が日本人にも浸透している例の数々に感心した。急いで出版されたのか、誤った表現や前後の脈絡の薄い追加情報が多く、所々読みにくいのが残念。2024/04/19

おかむら

29
開高健ノンフィクション賞。ソ連の対外宣伝ラジオ、モスクワ放送の日本語版(1942〜2017)に関わったアナウンサーやスタッフの来し方行く末を調査。短波で外国のラジオ を聴くっていう趣味が昭和の頃はあったのねえ(その頃もマニアックだったと思うけど)。ソ連からロシアと変わったけども日本でのあの国の不人気さは変わらず(最近はますます)な中、思想に共鳴、あるいは文化芸術に惹かれ、またはなんか面白そうだという理由でソ連に向かった人たち。戦前に亡命した女優岡田嘉子やロシアとのミックス川村カオリも登場。2024/01/17

ばんだねいっぺい

26
日本人がやっていたモスクワ放送。本来の目的が政治的だとしても。それは、国際親善だったり、人と人の繋がりの意味を持つことになる。百万本の薔薇の花って、そうだったのか。2024/03/16

Kerberos

17
モスクワ放送の日本人といえば樺太国境越えの逃避行で知られる岡田嘉子が有名だ。しかし岡田以外にこれほど多くの日本人がモスクワ放送で働いていた事実は知られていない。出版から2か月後、早稲田大学で開かれたセミナーで著者から話を聞く機会があった。日本人が旧ソ連のプロパガンダに加担したことは事実としながらも同時に当時の東側の空気を伝えて「文化の橋渡し役」を担ったことも間違いない事実だと強調された。取材対象との距離感はプロのジャーナリストでも取り誤りがちだが、著者の冷静な視線は著作からも講演からも十分に感じ取れた。

ミハイル・キリーロビッチ

16
Russophileと一言でくくることがはばかられるさまざまな背景を背負った人たちの物語。ロシアとの接点で今も苦労している人たちへのエールとなりうる一冊だと思います。2023/12/12

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