内容説明
優秀な妹と比べられ続け、次期領主という立場すら失い、自暴自棄になって悪政を敷いた結果、主人公たちに倒される――それがとあるゲームに登場する悪役、ヴァイス=ハミルトンの人生だ。
そんな彼に感じ入る所があって「悪役推し」になった俺は、ある時「ヴァイス」としてゲーム世界で目を覚ます。それは彼が主人公たちに討たれる数年前……つまり! 今ならまだ運命を変えられるということだ!!
このゲームをやり込み、どうしたらヴァイスを救うことができるのか……そんな妄想(シミュレーション)を数百回は繰り返してきた俺の知識と経験(?)をもって、破滅フラグを回避する!!
推しキャラ転生から始まる悪役救済ファンタジー!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わたー
18
★★★☆☆噛ませ犬キャラが好きな主人公が、とあるSRPGにおける主役の敵対勢力の青年領主に魂だけ乗り移ったことで、不遇な末路を辿る彼を救うために、ゲーム知識を使って運命を変えようとする物語。主人公の最推しであるその青年だけでなく、ゲームの世界線において青年を逃がすために自爆した戦闘もできるメイド、婚約破棄した人物の首をその場で刎ねた悪役令嬢、その身を蝕む呪いのせいで邪教に堕ちた偽聖女といった、アライメントが「悪」にならざるを得なかった人物たちの未来も変えてしまうという主人公の行動自体は良かった。2023/11/20
こも 旧柏バカ一代
17
ゲームでは不幸が続いて敵役だったキャラクター達を救済して回る者。それも序盤に主人公に殺される役だったキャラクターに主人公が憑依して、本人含めて救済。本巻では本人悪徳領主ヴァイス、鮮血の悪役令嬢アイギス、冷酷なる偽聖女アステシアの3名を救う。2024/05/28
しぇん
16
Kindle Unlimitedで。親友は結局何者だったんだ?とら思いながら読了。序盤の小物のボスに憑依転生系ですが、今の所そんな化物設定なかった為、不幸になった登場キャラの救いに奔走してるのが良かったです。ただ、オタクしかわけらなそうな固有名詞とか多めなのは少し気になりました2024/09/16
サキイカスルメ
14
自分の境遇とも重なり、大好きで救いたいと思ってた推しキャラになってたお話。 主人公が自分=推しキャラだから、やたら自己肯定感高くて楽しかったです。 メイドのロザリアさんがヒロインとして、ぶっちぎってましたね、強い。 面白かったです!2023/11/21
山のトンネル
9
★1.5。本書の悪役は、「悪役にされてしまった悪役」である。すなわち、闇堕ち悪役キャラという括りになる。ヴァイスはゲームのシナリオだと、父(領主)の死後に領地経営を任されるのだがことごとく失敗してしまう。他にも妹への劣等感などがきっかけで悪役に回る。しかし、実際は領地の問題はヴァイスだけに原因があるわけではなく、ラスボスであるハデス教が仕込んでいたものであったという。この物語は推しのヴァイスに憑依(転生)した主人公が領地問題やら他の悪役について…というお話。エピローグの構成が良く、読後感が良い。2024/09/09