酒が薬で、薬が酒で - ビール、ワイン、蒸留酒が紡ぐ医学史

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酒が薬で、薬が酒で - ビール、ワイン、蒸留酒が紡ぐ医学史

  • ISBN:9784760155415

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内容説明

「酒は百薬の長、されど万病の元」ともいうように、古来より洋の東西を問わず、酒と薬の関係には切っても切れないものがあり、互いに発展を遂げてきた。
 古代エジプトでビールは生水より清潔な栄養ドリンクだったし、科学の原型ともいうべき錬金術師たちは万能薬「命の水(オードヴィー)」を求めて様々な蒸留酒を生み出した。その技術を受け継いだ化学者たちによるアルコールの研究は、医学、微生物学、生化学など多くの分野での発見につながり、人々の健康に貢献している。ほかにも、熱帯の人々を苦しめるマラリアの治療薬とジン・トニックの関係、禁酒法下のアメリカにおける酒と薬の関係等、その歴史を繙くと見えてくるのは、まさに酒が薬であり、薬が酒であったという事実なのである。


「薬としての酒」という視点から、アルコールと医術が織りなす人類史の変遷を広範な資料と調査に基づいて読み解いていく、新鮮かつ刺激的な一冊。エピソードに合わせて72のカクテル・レシピも紹介、お気に入りの一杯を片手に、めくるめくような物語に酔いしれてみてはいかがしょう?

目次

はじめに
第一章 発酵と医学――ギリシアのワイン、ローマの薬、健康的なビール
第二章 錬金術と第五元素(クインテッセンス)――「命の水」を生み出す蒸留術
第三章 修道士と醸造――修道院が生んだリキュール、瘴気に満ちた中世
第四章 科学と酒――プリーストリーと炭酸、パスツールと酵母菌
第五章 苦さと甘さ――アペリティフ、アブサン、アマーロの“実用性”
第六章 蒸留酒と健康――ブドウ、穀物、サトウキビ、アガベの薬効
第七章 毒と薬――「純正食品法」「禁酒法」、そして密造酒
第八章 マラリアとジン・トニック――感染症と合成染料の意外な関係
第九章 カクテルと現代医学――ミクスト・ドリンクの現在・過去・未来

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Colour25

3
『お酒は身体に悪い』という意見もあれば、『少量のアルコールは身体に良い』という記事を見かけたりする。本書では結論を述べているわけではないが、少なくともお酒が薬として売られていたり、医学の面で寄与していることは歴史上の事実として語られている。中には、現代では全く根拠のないと一蹴できる内容もあるが、そんな世界でもお酒が人々の心を癒したり、ストレスを軽減させたことは否定できないはず(と思いたい)。そんな私は“お酒は飲んでも飲まれるな”をモットーに、今日もウィスキーを嗜みながら本を読む。それもまた一興。2024/02/14

Humbaba

1
酒は人の歴史の始まりから存在師弟tとても付き合いの長い存在である。酒によって健康になれるという訳ではないが、飲んでも安全な水というのは地域によっては非常に貴重なものであり、生きていくうえで欠かせないものでもあった。勿論それ以外の効能についても重要ではあるものの、これだけ多くの地域でそれぞれのお酒があるというのは、どの時代であっても必要とされてきたということである。2024/12/28

skr-shower

1
昔は毒とも思わず、酒にぶち込んでカクテルで飲んでた例は少なくない?少量の酒は薬って言うのは嘘だとはっきりしているらしい。2024/01/12

朔ママ

0
⭐️⭐️⭐️⭐️2024/02/03

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