日本経済新聞出版<br> 王の綽名

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日本経済新聞出版
王の綽名

  • 著者名:佐藤賢一【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 日経BP(2023/11発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784296118946

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内容説明

禿頭王、肥満帝、青歯王、合羽王、長脛王、金袋大公、ドラキュラ公、助平ジジイ……今も伝わる55の王の綽名から、近代ヨーロッパのなりたちがわかる。ゴシップとスキャンダルに彩られた、華麗で野蛮な中世・近世欧州史!

『小説フランス革命』や『ナポレオン』をはじめ、スケールの大きな歴史小説で多くのファンを持つ直木賞作家・佐藤賢一氏が、中世から近世にかけてのヨーロッパの王の「綽名」にまつわる逸話を在位の時代順にひもといていく歴史エッセイ。1話=4ページのエスプリの効いたコラム集という趣きで、寄席の謎解きのように軽妙な語りが時空をまたいで逸話と逸話をつないでく。読んでいるとはっと掌を打ったり、思わず吹き出したり。
本書に登場するのは、9世紀のフランス・ドイツ・イタリアの元となったフランク王国の王から19世紀の二月革命で廃位されるフランスの「市民王」まで56人。北欧のヴァイキングや戦乱やまぬイベリア半島の王も登場し、星雲状態だった中世ヨーロッパがほぼ現在の国々の勢力図になっていくまでの1000年が活写される。残虐非道な謀略、親子兄弟の骨肉の争い、結婚や世継ぎを巡る醜聞、そこにカトリック教会など宗教がからみ、時に100年も続く戦争に発展する。まさに血で血を洗う歴史である。

目次

禿頭王     西フランク王 シャルル2世
合羽王     フランス王 ユーグ・カペー
聖大公     キーウ大公 ウォロディーミル1世
征服王     イングランド王 ウィリアム1世
赤髭帝     神聖ローマ皇帝 フリードリヒ1世
尊厳王     フランス王 フィリップ2世
獅子心王    イングランド王 リチャード1世
熊侯      ブランデンブルグ侯 アルブレヒト1世
金袋大公    モスクワ大公 イヴァン1世
黒太子     イングランド王太子 エドワード
ドラキュラ公  ワラキア公 ヴラド3世
航海王子    ポルトガル王子 エンリケ
カトリック両王 カスティーリャ女王 イザベル1世&アラゴン王 フェランド2世
血塗れ女王   イングランド女王 メアリー1世
処女王     イングランド女王 エリザベス1世
雷帝      ロシア皇帝 イヴァン4世
助平ジジイ   フランス王 アンリ4世
太陽王     フランス王 ルイ14世
市民王     フランス王 ルイ・フィリップ
など55の綽名

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

150
日経新聞連載中も愛読したが、まとめて読むと実に面白い。王という名の俗物につけられた綽名が、君臨した国の性格にも通じるのだから。助平ジジイや最愛王はフランス恋愛映画の主役になるし、生涯を戦争に捧げた赤髭王はドイツ的だと納得してしまう。粛清を繰り返し雷帝と呼ばれたロシア皇帝は、スターリンやプーチンの祖先かと思える。外国人移民を奨励したら入植王、探検航海のパトロンになれば航海王子だが、政治的都合で不能王だの狂女王と呼ばれたのは王位の代償とはいえ気の毒。いずれ彼らの生き様を、著者が痛快なドラマとして書いてほしい。2023/11/26

さつき

70
ヨーロッパの王侯たちの綽名をその生涯のあらましと共に紹介する内容。イギリスやフランスの王様達はエピソードも既知のものが多かったが、スペイン(特にスペインとなる前のカスティーリャ、ナバラ、アラゴン時代)やポルトガルの王様の話しが知らない事ばかりで新鮮でした。戦士王アリフォンソ1世、修道士王レミーロ2世や詩人王テオバルド1世、待望王セバスティアン1世の事が気になりもっと知りたいと思いました。2023/12/31

R

60
王様以外にも皇帝や女王、王子なんかもいたけども、綽名の由来から西洋史を学べるような内容でなかなか面白かった。少し短すぎるというか、説明が端的すぎて全然覚えられなかったのだが、説明に出てくる人名を見ていても、綽名つけないと区別がつかないというのはよくわかるなと思う内容だった。西洋史の素養がないので、さっぱり知らない人ばっかりだったけど、メディチが豪華王というのは初めて聞いたなと思ったが、この綽名も各国語の他、ラテン語とか様々な呼び方によるのが面白くて、日本語訳の妙もあじわえてよかった。2024/05/06

星落秋風五丈原

60
禿頭王西フランク王シャルル2世 いや身体的特徴を綽名につけるのはさ、どう?だってみんな年取ったらはげるでしょう。ましてや肖像画を見ると髪フサフサだったそうで本人怒る。一時的に剃髪(フランシスコ・ザビエルカット)したからだとか。 獅子心王イングランド王リチャード1世 これは最も有名。ライオンハート。『ロビン・フッド』に登場する勇ましくかっこいい。映画ではショーン・コネリーが演じていました。国民に言わせると、やたら他国に攻め入るのが大好きで、国内放ったらかしだったとか。映画『冬のライオン』登場。2023/12/17

イトノコ

53
キンドル。ヨーロッパの王56人(中に王ではないのも混じっているが)の異名を、その生涯と併せて紹介。/佐藤賢一さんの西欧史への造詣の深さを見せつけられる一冊。小ピピン、尊厳王・獅子心王・赤髭王の3人やエドワード黒太子、エンリケ航海王子、雷帝イワン、処女王エリザベス、太陽王ルイ14世あたりは知っているがほとんどは初耳。年代順に並んでいるので、西欧史をおさらいした気分にもなる。しかし綽名の容赦のなさよ。日本で「殿の綽名」を作ったら誰だろう?蝮、甲斐の虎と越後の龍、狸親父、猿、出羽の狐、雷神、犬公方あたり?2025/05/30

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