ミナヅキトウカの思考実験

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ミナヅキトウカの思考実験

  • 著者名:佐月実【著】
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  • 産業編集センター(2023/11発売)
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  • ISBN:9784863113794

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内容説明

水崎大学数学科に通う神前裕人(かんざきひろと)は、ひょんなことから殺人事件の現場に遭遇。被疑者として警察署に連行されてしまう。嫌疑をかけられたままの状態に不安を感じた裕人は、刑事の促しに応じる形で、自身が通う大学の怪異研究会に足を運ぶことに。そこでオカルトマニアの水無月透華(みなづきとうか)との出会いを果たした裕人の日常は、その日を境に一変。透華に振り回されながら、さまざまな事件の現場に足を踏み入れていくことに…。

街中で突如燃える女、棺の内側から響く物音、目だけくり抜かれた死体…怪異の仕業とも取れる事件の真相を、「思考実験」をもとに導き出す超常×解決ミステリー!

装画:wataboku

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒロ

87
最初は思考実験って何だっけって思いながら読んでましたが、ミステリーと上手く混ざって楽しく読めました。思考実験ってマクスウェルの悪魔とかシュレーディンガーの猫とか名前が付いてて、それもまた興味を惹かれる部分ではありました。それと怪異の要素もあって何重にも奥深さがあり、それをとことん追求する水無月透華がとにかく魅力的に写りました。短編5作なのでとても読みやすいです。2023/10/17

kou

76
思考実験を元にした連作短編集。タイトルから水無月透華は学者か博士か特殊捜査官と思っていたら、ただの大学生だったとは(笑)。警察も、そんなにホイホイ捜査資料を渡して良いのだろうか・・・?物語としてはサクッと読めて面白かった。是非、シリーズ化してもらいたい。2023/11/28

aquamarine

70
街中で女性が突然燃え出した事件の現場に居合わせ、出会った刑事から同じ大学の水無月透華を紹介された神前裕人。その発火した女性の真相を皮切りに、葬儀の時に棺からした物音、AIによる死の予言…と彼女は怪異の仕業とも取れる事件の真相を「思考実験」をもとに導き出す。裕人が数学科ということもあって、「思考実験」に関する話題が数学的に語られ、とにかく面白い。最初は透華になかなか感情移入できずにいたが、後半になりそれがなぜかわかって納得。他のキャラも好みだった。ミステリとしては薄めだが、ちょっと変わったアプローチを堪能。2023/11/12

yukaring

61
街中での突然の発火、棺の中から響く物音、呪いのチェーンメールによる怪死…この不可解な事件を思考実験により解き明かす水無月透華。彼女が運営するサークル「怪異研究会」に入部する事になった神前裕人は怪異を追い求める透華に振り回されながら、さまざまな事件の現場に足を踏み入れていく。一見すると怪異の仕業に思える事件を「マクスウェルの悪魔」や「シュレーディンガーの猫」など思考実験になぞらえて解体していく独特の論理展開が面白い。透華が怪異を追うことになった過去の事件も明らかになる最終話のラストは爽やかで後味がよかった。2024/08/03

えみ

55
ミステリアスな彼女の忌憚ない妄言も、近付きすぎると堕ちてしまいそうな闇の香りも、すべてこの謎に編み込まれている最大の“心臓”であったなんて…「孤独」が強い物語だとは思っていたが、決定的な最後の事件で納得することができた。寧ろ幸福感でいま満たされている。試験管もマウスも出てこないけど、確実な実験によって炙り出された犯人という結果を冷静に認めた水無月透華を手放しで称えたい気分。怪異現象なのか人が起こした事件なのか。不可思議な状況で発生したその謎を、透華は否定しながら肯定する手法で解決していく。妖も人も紙一重。2023/12/23

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