内容説明
成田空港でGS(グランドスタッフ=空港業務スタッフ)として働く咲良は人気の芸人の帰国を知り、芸能人を間近で見れることにワクワクする。しかし、ゲートに現れた人気芸人・瀬戸は空港警察に先月から着任したばかりの仁志村賢作に身柄を確保されてしまう。普段から、「役立たず」と陰で言われている空港警察の行動に驚く咲良。何と瀬戸には麻薬密輸の容疑が掛かっているらしい。しかし、瀬戸の身体には麻薬犬もTDS(検査機器)もX線も金属探知機も反応を示さなかった。とんでもない濡れ衣だと瀬戸は激昂するが、仁志村は意外なモノに着目し、瀬戸を追い詰め始める。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
336
中山 七里は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。色々と警察小説を読んでいますが、空港警察は初めてで新鮮でした。空港を舞台にするとヴァラエティな事件が起きそうなので、シリーズ化もあるかも知れません。 https://www.kadokawa.co.jp/product/322209001167/2023/11/29
hirokun
186
星3 中山さんの作品創造能力には心底驚嘆する。私は、中山さんの新作を毎月読んでいる気がする。私の好みもあるのだがこの作品は如何なものかというものもあるが、今回の作品は、スピード感があり、リーダビリティもあって一気読みした。作品のストーリーとしては特に捻ったものがあるわけではなく、中山さん自身が、エンターテイメント小説に徹するとおっしゃっている通りの作品。2023/12/07
いつでも母さん
182
面白い。中山さんの新シリーズってことですよね?連作5話。成田三里塚闘争がここで出てくるか~の最終話はさておき、仁志村署長と言う個性的なキャラをもっと読みたい。GSの蓮見咲良との絡みや、空港利用者あれこれ・・まだまだありそうだ。アマゾネス高頭冴子登場も嬉しい。2023/12/08
きいたん
174
きっとまた中山七里の新たなシリーズとなるであろう空港警察。新キャラ仁志村はキャラ立ちしていてしかも謎も多い感じ。普段の生活の中で海外旅行もずっと行ってないし、国内でも10年近く飛行機に乗っていない私にとって、空港は身近ではない。静岡空港は近くにあるけど数回しか行ったことないし。それでも物語の中にあった管制塔と管制官のあれこれは、年明けにあった大きな事故を思い出させ心が傷んだ。連作短編のような各々はそれぞれにどんでん返しが用意されさすが中山七里。山崎や冴子等の中山作品キャラの登場も嬉しかった。続編あるよね?2024/01/07
貴
163
「独裁者や個人崇拝に走った組織では率直さは美徳ではなくなる(日本の企業も同じではないか)。忠義こそが評価軸になるような組織の言い分や表明は、まず疑ってかかるべきなのです。」心に残った部分です。忠義こそが評価、そしてそれが出世の道ならば、生きることが、虚しいのではないでしょうか。2024/05/18