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内容説明
「おれたちをここまで追いつめたやつは、一体誰だ、誰だ、誰なんだ……。」
“不沈艦” 神話を信じ、乗り組んだ船で見たのはあまりに悲惨な戦場の現実だった――全長250m超の大和型2番艦「武蔵」は1944年10月、日本の存亡をかけたレイテ沖海戦へと出航する。アメリカの航空戦力を前になすすべなく、主砲も沈黙するなか、「おれ」が選んだ道とは? 組織内暴力や上官の不条理、無差別に訪れる死。実際の乗艦経験をもとに、戦場の現実を描いた戦記文学の傑作。鶴見俊輔氏の論考も再録。 解説・一ノ瀬俊也
◆主砲の制御装置が魚雷一本の振動で故障、航空機には通用せずあえなく廃棄
◆「鬼」と恐れられていた上官が戦闘では遁走
◆元小学校教師は爆弾に吹き飛ばされ、十六歳で志願した少年は足を失い息を引き取る
◆沈没時は乗員よりも天皇の肖像写真の退避が優先された
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Toska
14
人生の早い段階でこの本(の児童向け版)を読んだことで、自分の戦争観は計り知れない影響を受けた。それくらい大きな意味のある一冊。無論、自ら戦争を経験しているわけではないから括弧つきの「リアリティ」にすぎないのだが、それでもやはりこれは本物だと思う。何度読んでも圧倒される。日本人の戦争観がどう変わろうと読み継がれるべき一冊で、再版には心から感謝したい(落丁があったのは残念だが)。2024/07/30
ののまる
9
渡辺清の著作でエピソードは少し読んでいたが、一括して出港から沈没まで読むと、虫けらのように殺されていく兵隊の姿が凄惨すぎて圧倒される。レイテ海戦自体が無謀だが、戦闘機もないままの出撃(すでに時代は飛行機による爆撃になっている)、駆逐艦に退避できる時間とチャンスは多数あったのに、完全に遅れた指示(沈むはずがないとしがみつき、首脳陣でお茶で別れの杯している暇があればなぜ…)。今の日本自体が不沈艦武蔵に例えられるのがわかる気がする。2024/05/12
morelemon
1
武蔵最後の戦いの記録。実際に経験した人間だから書けるリアルさがありました。体験したことのすべてが反映されているわけではないでしょうし、中身が何から何まで実際のことではないのかもしれませんが当事者によるこのような本は貴重ですね。2024/01/20
卍ザワ
0
戦艦 武蔵を中心に描かれているので、軍艦の数が多く、状況が判りにくい、レイテ沖海戦だが、比較的読みやすかった。一応、小説の体制だが、実体験が大きく、非常に生々しい。もっと読まれるべき作品。2023/11/28
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