内容説明
ヒトの能力とこころの発達の謎。科学データから、記憶、学習、言語、コミュニケーションなど、「起源と進化」のミステリーに迫る。 第1章 乳児のコミュニケーション 第2章 記憶と学習 第3章 生物についての理解 第4章 心の理解――心の理論とは 第5章 物の世界をどう理解しているか 第6章 自己の発達―自分自身をどう理解するか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
活字の旅遊人
32
帯にある「赤ちゃんはボーッと生きていない!」。当たり前だが、つい忘れる。チコちゃんじゃないが、ボーッと生きているのはむしろ大人である。懸命に獲得した認知能力を活かせずに暮らしてしまっている自分たちこそ猛省すべきだな。無理な要求であることは分かっているが、生来身につくように仕組まれていたり、生まれる前から備わっている能力と、教育(普通の子育て込み)で習得したものの区別をしていないのが本書の弱さ。紹介されている実験はその辺りも配慮しているように書かれているが、本文にはミスリードがちらほらあったように思う。2024/01/25
たの
4
「もっと子どもにゆだねる部分があってもよいのかもしれない、子どもの面白さや不思議さを味わいながら、必要なときにそっとあと押しするスタンスでもよいのではないか。」おわりに、のこの一文にこの本の全てが集約されているのではないでしょうか。知ることで、余裕を持って子どもと関われるようになるといいなあと思いつつ読み切りました。心の理論についての実験や能力を細分化して分析する解説が面白かったです。2024/01/22
ソーシャ
3
これまでの研究成果を踏まえた乳幼児心理学の入門書を新書向けにリライトした一冊。様々な実験や論争を紹介しながら、乳幼児はどのような力を持っていて、自分や世界をどのように見ているかをレベルを落とさずに紹介しています。ピアジェなどの古典的な議論から研究がどのように進んだのかを知りたい人におすすめの一冊です。2024/01/08
ゆうやけPC
2
乳幼児が何を考えてるか調べるのも大変そうだなぁと思いながら読んだ2024/03/21
彦゜太郎
2
アカデミックで慎重な本。 どう育てたらいいのか教えてくれるいわゆる指南本ではない。 子どもの自己制御能力の発達を促進するには、先回りせず、後ろから支えること。まさに本書では読者にも同じような要領で知識を与えてくれる。 知識を得たところで、どう飲み込んでどう行動するのかは、親である私たち次第。2023/12/30