夜明けのはざま

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夜明けのはざま

  • ISBN:9784591179802

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内容説明

『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を受賞!3年連続、本屋大賞ノミネート!! 自分の情けなさに、歯噛みしたことのない人間なんて、いない。 死を見つめることで、〝自分らしさ″と〝生″への葛藤と希望を力強く描き出した、著者渾身の感動作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

413
町田 そのこ、5作目です。本書は、家族葬専門葬儀社芥子実庵連作短編集でした。オススメは三章「芥子の実」です。続編もありそうなエンディングでした。私は昨年母を亡くし、葬儀を家族葬で執り行なったので、リアルな感じがしました。昨年読んでいたら2023年BEST20候補、今年も本屋大賞にノミネートされそうです。 https://www.poplar.co.jp/pr/yoakenohazama/2024/01/12

fwhd8325

321
葬儀会社が舞台だから、死にまつわる物語です。それは、人への想いなのかもしれません。何もどれだけ思いが深いなんてことを競うことはありませんが、死んでしまったら、その人とは思い出だけが残ります。それでも思い出は突然目に前に飛び込んできたりします。ああ、まだ繋がっているんだと思える瞬間です。一章でガツンとやられました。時折涙が零れてきたりします。少し辛いなと思いながらの読書でした。2023/12/11

hirokun

290
★4 家族葬専門の葬儀社を舞台にして、死に直面した登場人物たちを通し、生き方について考えさせてくれる作品。私にはこんな風にこの作品を受けとった。町田そのこさんの作品は私にとっては2冊目。この作家さんも読書メーターに参加していなければおそらく縁のなかった作家さん。文中にあった、『一緒に生きていくために大切なのは、相手のしあわせを考える時間』の言葉は、私の心に深く突き刺さった。自分の幸せを中心に組み立ててきた今までの人生に対し、残された時間は、相手のしあわせを考える気持ちを少しでも持ちたい。2023/12/06

hiace9000

265
作中にはこうある。「"痛み"があまりに迫ってきて息ができない」と。読中ずっと自問自答・自己省察が続いた。わかったふりをしながら嫌悪すべき同性や異性への「性」の強要をわたしはしてはいなかったか? 古い世代の価値観のズレを揶揄し辟易しながら、矛盾した他者認識をしている自分に気づいていたか? 『夜明けのはざま』は「自分が知った痛みが無理やり引きずり出されてくるような怖さ」を伴う読書だった。価値観は揺らぎ、変わろうとしている。それでもまだ夜は明けてはいないー「はざま」だ。令和夜明けのいま、「先を行け」と言いたい。2023/12/11

旅するランナー

247
女らしく、妻らしく、母親らしく。男らしく、夫らしく、父親らしく。そんなジェンダーや役割の強要への疑問符を投げ掛ける。そうなのだ。一緒に生きていくために大切なのは「しあわせの瞬間」だけでなく「相手のしあわせを考える時間」も大事なのだ。家族葬専門葬儀社芥子実庵で繰り広げられる、大切な人を送る切ないエピソードから、人生の大切な考え方を学べる優れた作品になっています。2024/02/04

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