内容説明
ある日、祖父がフンボルトペンギンになった。この事態をすんなりと受け入れた柊也は、ペンギンになった祖父の世話をすることに。身寄りはなく、その上引きこもりの柊也。誰にも相談できないまま、一人と一羽の閉じられた世界は平穏に続いて行く。しかし、ある女性との出会いをきっかけに、日々に亀裂が入り始めて……。庭に埋めたスーツケース、いなくなった人。柊也の周りで事件は起きる。第三回大藪春彦新人賞受賞者長篇デビュー作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
相田うえお
75
★★★☆☆23083【ペンギン殺人事件 (青本雪平さん)】どう解釈したらいいものか凡人には受け止めきれない設定。なんと!朝起きたら祖父がペンギンになってた?しかもメス?あはは。当方、許容オーバ〜。でもこの作品、嫌いじゃないですよ。最初は一般的なファンタジー作品かと思ったのですが、思いのほかちゃんとした話(若干ミステリ要素あり)です。うまく生きれない孫(主人公)に対して、いつでもやり直せるということの抽象化モチーフとして『ペンギンも今から飛ぼうと思えばきっと飛べるようになるんだよ』で、祖父のペンギン化かな?2023/12/28
しゃお
24
朝起きたら祖父がフンボルトペンギンに?!特殊設定ミステリかと思ったら、ある事件をきっかけに高校を退学、祖父の家で引きこもっていた柊也が、自身が見たくないもの、目を背けてきたものに向き合えるようになる物語…なのかな。そもそも本当にペンギンはいたのでしょうか。同級生の宗像と柊也が二人で会話している時の違和感は果たして。それに最後の卵は何を示唆しているのでしょう。色々考察できる場面が多く、読んだ人同士で語り合いたくなるかも。2023/11/29
ichi
20
☆42023/11/20
みかん
4
面白かったの、それは間違いなく面白かった。でも読み終えても謎が多い…読み終えたからこそ謎の多さに怯えてしまう。サクサク読めるのに、読み終えてみたら答えの出ないミステリ。80歳になる祖父と二人で暮らしている17歳の柊也は、高校を中退し殆ど引きこもり状態でいた。ある日朝早くに妙な音…鳴き声が煩く1階の居間に行くと、そこにはペンギンが。_ペンギンは退化して羽根を無くしなんじゃなくて、進化して羽根を無くしなんだよ!とハルちゃんは興奮して柊也に教える。誰が生きていて、誰が死んでいるのか_2023/11/24
鈴川愛夏
3
●ペンギン殺人事件/青本雪平 #読了 ある日突然祖父がペンギンになるというストーリーでずっと最後までペンギンが出て来た。2023/12/14