ハヤカワ文庫SF<br> 幻影の都市

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ハヤカワ文庫SF
幻影の都市

  • 著者名:アーシュラKルグィン【著】/山田和子【訳】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 早川書房(2023/11発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784150108663

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内容説明

長老ソブの館を取り巻く森のはずれに見知らぬ青年が現われた。自分についての記憶をすっかり失くしている。館の住人たちは猫のような不思議な目から黄色を意味するフォークと名づけ5年のあいだ庇護するが、記憶は戻らぬままだった。ゾブは彼の正体に頭を悩ませた。かつて《全世界連盟》を倒した人類の敵シングの手先か、それともシングに記憶を消された館への使者なのか? 『ロカノンの世界』『辺境の惑星』につづきSF界の女王が流麗な筆致で描く未来史シリーズ第3弾。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

DEAN SAITO@1年100冊

12
著者のハイニッシュ・サイクルものはこれ以外は全て読んだことがあるのでこれが最後の未読の1冊。 初期の作品なのでこれが読む順番の中で最後になったのはよかったのかどうか微妙なところ。けれど、のちの代表作に見られるモチーフがこの本の中にも出てきたり、他の作品を読んでいるからこそ著者の作品の系譜を感じながら楽しめた。2020/03/11

roughfractus02

10
記憶を失った黄色い虹彩の男が、都市の記憶断片を頼りに失われた自己を取り戻す旅に出る物語は、事前情報がないまま男が出会う人々の情報を頼りに男自身と彼の目指す都市の真実の姿をパズルのピースを埋めていく探偵のような作業を読者にも強いてくる。が、本書の世界は<嘘言>と武力によって一度滅び、小さな部落の散在する世界である。さらに男が2つの心を持つことがわかると、このパズルは急に複雑になる。が、男の「心」より、彼が出会う人々の言葉をあるがまま辿れば自ずから<道>は開ける、という老荘的考えがこの世界を支えているようだ。2023/12/23

みずけろ

6
ハイニッシュユニバースもの。記憶を失い異星人として、ある館に保護され穏やかに暮らしてきたフォーク。失われた記憶と自分を求めて出発した旅の途中、遭遇する様々な人々と困難と助言。前半はファンタジー的な苦難の旅が中心で、終盤に差し掛かりSF的に記憶と虚実を巡って懊悩の滞在となる。読んでいるほうもなにが真実なのか混乱するが、フォークとともに苦しみ悩み、ひとつの結末にたどり着く。もう少し余韻があったらより気持ち良かった気もするが、とりあえずル・グウィンの描く世界が面白くて夢中で読んだ。満足~!2018/06/07

アッコ

5
『辺境の惑星』の姉妹編ともいうべき作品。物語の前半は、記憶をなくした青年フォークが、自分は何かを探し求める旅。人類の敵シング、と教えられてきたが、旅で出会った女性はシングは敵ではないと言う。果たしてシングは敵か味方か。後半は青年フォークの生い立ちが明らかとなりいよいよクライマックスへ。 前作『辺境の惑星』を読んだ読者なら、アガドとロルリーたちの、その後の世界に思いを馳せることだろう。“心話”の熟練者同士による、緊迫した精神戦がおもしろい。 オリイよ、もうちょっとしっかりせい!と檄を飛ばしたくなった。 2012/01/31

Momoko Nishikawa

4
購入した古書。とても面白い。この地球を支配しているというシングとは何者か? フォークは自分の記憶を取り戻すことができるのか? 大きな戦争後の荒廃した地球に、自分の記憶をすっかり失くした青年が現われたところからはじまる。中身が濃くてページ数以上の内容を感じた。2023/11/15

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