内容説明
女性を下の名前で呼べない。「二子玉(にこたま)」と言いたくない。可愛げある「隙(すき)」が作れない。そして、この本のタイトルがやっぱり気に入らない――。世の中と折り合えない「不器用すぎる芸人」ふかわりょうが、日頃から抱く些細な違和感をタネに縦横無尽に持論を展開。ここで出会ったのも何かの縁。その独特なこだわりに呆れつつも、くすりと共感してしまう、歪(いびつ)で愉快なふかわワールドをご堪能あれ。(解説・綿矢りさ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつこんぐ
34
溺れる羊を助ける話が好きでした。自分でネタを書く芸人さんって文章が上手ですよね。(オードリー若林さんとかハライチ岩井さんとか)傍目で見ていると「おもしろーい」って思うけど、近くにいると「めんどくせー男だなぁ、おい」って思いそうです。そして、なんだかんだ言いながらふかわさんも綺麗な奥さん捕まえるんだろうなぁ...。2023/12/28
ばんだねいっぺい
30
装丁がむちゃむちゃいい。ほっこりしてると思いきや、性としてのモヤモヤが毒となってちりばめられている。若手の頃のエピソードにそうだったのかーとなった。タモリさんのハナシがよかった。2023/12/23
シキモリ
26
私が中学生の頃、同級生に勧められ、長髪に白いヘアバンドという出で立ちの著者を深夜のブラウン管で目にしてから随分と月日が流れ、まさか著作を読むことになろうとは当時の私は夢にも思うまい。前半はタイトルの示す通り、世間とのズレに悩まされる著者の日常が愉快に描かれているが、中盤以降は著者の真面目で実直、そしてロマンティックな人柄が全面に出ており、本書に【お笑い芸人】らしいエッセイを期待した私としては、少々【コレジャナイ感】を抱かずにはいられなかった。然し乍ら、知性と優しさに満ちた文章で、これはこれで悪くないかも。2023/12/12
おはぎ
9
うーん、ちょっとそれはちがうんじゃない?とたまに思いつつ、概ね確かにね、うんうん、あるある、と共感しながら読んだ。ちょっと掴みどころのない人だと思いながらテレビで拝見していたけれど、今度からはイメージが変わりそうだ。2024/03/11
Katsuto Yoshinaga
8
「飲食店等で並ぶ場合、女性は並んでいる状況自体を楽しんでいる。男性は並んでいる時間を享受する感覚が弱い」とか、「初婚ではフェアレディZのような男性を選ぶのに、離婚すると、次はカローラのような男性と再婚する女性を見かけます」とか、「さま~ずさんは、一緒にサボってくれる先輩」等々、感心させられたり、クスっとさせられたりとよくできたエッセイ集である。特にアイスランドへの一人旅での羊とのくだりを書いた「溺れる羊」は、ユーモアと問題提起のゆるいバランス感覚が印象的でお気に入りの一篇。他の著作も読んでみたい。2023/12/07