新潮文庫<br> 地中の星―東京初の地下鉄走る―(新潮文庫)

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地中の星―東京初の地下鉄走る―(新潮文庫)

  • 著者名:門井慶喜【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 新潮社(2023/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101047416

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内容説明

地下鉄を東京に走らせる。〈非常識〉な大事業を決意した早川徳次。経験も資金もゼロだったが、大隈重信、渋沢栄一を口説き、ついに上野―浅草間を開業する。日本初の自動改札機やATSを導入、日本橋三越本店直結の駅も作った。だが、ライバルが現れた。のちの「東急」の五島慶太である。地下鉄の路線をめぐる非情な戦いが始まった……。夢を追いかけた非凡な実業家の波乱の生涯を描く傑作。(解説・酒井順子)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

103
ある意味「プロジェクトX」の主題歌(内容も)を思わせる題名で、地下鉄銀座線の最初のとっかかり(上野、浅草間)を中心に話が進んでいきます。早川徳次という人物は知りませんでした。大隈重信や渋沢栄一に掛け合って資金を出させたりします。怖いもの知らずでこのような人が当時はいたのですね。中盤は工事監督が主人公のような感じでかなり苦労した様子がわかりました。また東急の創始者の五島慶太もでてきます。面白いプロジェクト・セミドキュメンタリ―小説です。2024/02/16

じいじ

77
東京で、いや日本で最初の地下鉄道を走らせた男の物語。大隈重信、渋沢栄一など、ときの著名人がぞろぞろ登場するので面白いです。ついに昭和2年に浅草―上野(銀座線)の2.1キロが完成、地味に開通披露式が行われました。次いで銀座・新橋へと路線は延されて、終点の渋谷まで完成。現在、東京の地下鉄は蜘蛛の巣のように張り巡らされています。目的地の近くまで地下鉄だけで行きつけるので便利です。私はそんな地下鉄が大好きです。2024/08/09

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

76
(2024-11)後に「地下鉄の父」と呼ばれた早川徳次。「この世で最初の、死後も残る仕事がしたい」と始めた地下鉄の建設。鉄道院を飛び出し人脈も資金も無い彼がこの巨大な事業を起こすのは本当に大変な事であったろう。そして実際の建設に携わった道賀竹五郎や木本胴八らの現場監督、数多くの名もない作業員達。彼らの活躍無しには工事は完遂しなかった。長い年月をかけてたった10キロ程度の路線かもしれないが、パイオニアというものは大変な苦労がある。地下鉄銀座線建設を描いたプロジェクトX、面白かったです。★★★★2024/01/23

てつ

41
門井さんを、若干舐めていた気がする。いかようにもアレンジできる地下鉄建設の話を無駄なところは削ぎ落とし、不要とも思えるところも盛り込んで、最終的に五島慶太との関係性に落とし込んだのがお見事。脇役も美しい。2023/12/10

piro

39
日本初の地下鉄を開通させた早川徳次、そして地下鉄開通に挑んだ現場の人々の物語。徳次の地下鉄にかける情熱、そして歴史に名が残らない現場の人々のプロ意識に心熱くなる一冊でした。一時は険悪となった東急グループの始祖・五島慶太とのエピソードも興味深い。「地上の星」をもじった「地中の星」。トンネルを遠ざかる地下鉄の赤いテールランプであり、そして徳次をはじめとした人々でもあり、とてもいいタイトルだと思います。東京の地下鉄の中でも何となく特別に感じる銀座線。地下鉄の父・早川徳次の思いを乗せて走り続けていることが嬉しい。2024/03/24

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