内容説明
国際コンクール目前。黒人バイオリニスト、レイの楽器が突然ホテルから消えた。残されたのは1枚の脅迫状。盗まれたのは、かの名器ストラディヴァリウスだった――差別と偏見に耐えようやく掴んだ大舞台への切符。バイオリンを狙う思惑と計略が渦巻く中レイは決勝の舞台に立つことができるのか!? そして明らかとなるバイオリンに隠された衝撃の秘密とは!?――「音楽の描写が特に素晴らしく、自分が読んでいるのか、それともコンサートを聴いているのか時々わからなくなってしまう」(ワシントン・ポスト)他、各紙が絶賛! 手に汗握る、青春音楽ミステリー!!
目次
第一部 消失
第二部 家族の喜び 六年前
第三部 宝
第四部 音楽を奏でる
第五部 魅せられて
第六部 コンクール
第七部 不法侵入
エピローグ
訳者あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アリーマ
10
貧しい家で育った黒人の少年が、バイオリン奏者として世界的に名を為していく。母親さえ理解を示さない中で才能を認められ、遂にはチャイコフスキーコンクールに挑戦するレイ。祖父が残したボロボロのバイオリンが、実はストラディバリウスだったと判明するも、ある日盗難に遭い…現代アメリカでも過酷な差別に晒されている黒人の生活描写が胸に迫る。盗まれたバイオリンを取り返す迄のホロ苦い謎解きストーリーと、コンクールに向けて戦いながら差別とも闘い成長していく主人公を追いながら一気に読了。面白かった!今年のベスト候補。★★★★★2023/10/31
か
8
チャイコフスキーコンクールまで1ヶ月の時にレイのストラディヴァリウスが盗まれ、500万ドル分のビットコインを要求された。高祖父のものだった、祖母に貰ったヴァイオリンがストラディヴァリウスだと分かるまでの、音楽に理解のない母親との苦学生だったレイの物語。黒人差別で辛い。京都言葉のような遠回しの嫌味やら、ストレートな悪意などストレス~。ミステリというより、音楽青春小説として面白かった。2023/07/26
ユキタ
4
祖母から譲られたストラディバリウスを拠り所に才能を開花させてゆくレイは、しかしコンクールを目前にバイオリンを盗まれてしまう。黒人差別の有様がしんどくて、音楽に理解のない家族との確執がしんどくて、何度もページを閉じたけれど、やっぱり先が気になってまたページを開いてしまう、そんな小説だった。盗まれたストラディバリウスを縦軸に、何者でもなかったレイがバイオリニストとして世界最高峰のチャイコフスキー国際コンクールまで駆け上る姿に目が離せない。2023/07/27
しのぶ
3
国際コンクール目前の、名器ストラディヴァリウス盗難事件。持ち主のレイは黒人バイオリニストということでで、良くも悪くもドラマチックになりそうな予感。事件に焦点を当てたサスペンスかと思いきや、レイの生い立ちが主となっており、これがまたよい。途中「シカゴP.D.」の強面なみなさんを思い出す場面もあったりして苦しいけれど、過去はさらに壮絶。人間ってほんとにそんなにも残酷になれるものなのか(なれるのだろう) 謎解きその他は想定の範囲内、でもそんなのまったく無問題!2023/10/30
SOLVEIG
2
タイトルと裏梗概の「青春音楽ミステリー」という文言に惹かれて読んだけど、人種差別問題を扱ったかなりハードな社会派小説だと感じた。 チャイコフスキーコンクールを間近に控えた黒人バイオリニスト・レイが私物であるストラディバリウスのバイオリンを盗まれた。彼自身の生い立ちと楽器の出自についての物語が作品の中心にあって、盗難は副次的な要素みたいに感じた――実際、事件の解決はあっけない感じだったし。 レイの先走る性格にはちょっと付いて行けず「なんだかなあ……」と。結局それで事件は解決したんだけど。読んでて結構疲れた。2024/03/03
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