講談社学術文庫<br> 藤原道長「御堂関白記」を読む

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講談社学術文庫
藤原道長「御堂関白記」を読む

  • 著者名:倉本一宏【著】
  • 価格 ¥1,265(本体¥1,150)
  • 講談社(2023/11発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065322291

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内容説明

【平安最大の権力者は何を“後世に残すべきだ”と考えたか】
大河ドラマ『光る君へ』時代考証者が徹底的に読み解く! 原本写真多数掲載。

豪放磊落な筆致、破格の文体、そして抹消された箇所……平安時代最大の権力者は、自らの手で何を書き残したのか。
「披露すべきに非ず。早く破却すべき者なり」と道長が記したのはなぜか。
「望月の欠けたる事も無しと思へば」はいかなる場で詠まれたものだったか。
摂関期の政治、外交、儀礼の生々しい現場から家庭生活と精神世界までを描く世界最古の自筆本日記を、第一人者が徹底的に読み解き、宮廷社会の実像をさぐる。

原文写真・翻刻・現代語訳・解説がそろった、決定版!

【本書より】
『御堂関白記』独特の面白さがある。また、『御堂関白記』を記した藤原道長自体、日本史上でめったにいないほど、面白い人物である。それらの楽しみを、原本の写真とともにたどることは、他の史料ではちょっと味わえない面白さがある。
この本では、その日の記事に何が記されているかに加えて、その日の記事がどのように記されたのか、また、どのように書写されたのかに視座を据えて、記述のてんまつ、また書写のてんまつを明らかにしたい。本来、歴史学というのは、史料を読み込んでいき、それを読み解くというのが基本的な姿勢である。世間では古代史というと、好き勝手な推論を積み重ねている
ものと思われているかもしれないが(実際、『御堂関白記』や道長についてもトンデモ本が流布しているらしいのは嘆かわしいかぎりである)、史料にどう向き合うかという姿勢を伝えることこそ、歴史学者の本来の使命であると考える。
結果的には、自分が楽しんだだけではなかったかと恐れているが、自分が楽しいことはきっと楽しんでくれる人もいるはずであるという思い込みに支えられて、この本を世に出す。

【本書の内容】
序 章 『御堂関白記』とは何か
第一章 権力への道 ――政権獲得、彰子入内・立后など――
第二章 栄華の初花 ――敦成親王誕生、一条天皇崩御など――
第三章 望月と浄土 ――摂政就任、威子立后、出家など――
番 外 『御堂関白記』自筆本の紙背に写された『後深心院関白記』
終 章 再び『御堂関白記』とは何か
年譜/略系図/主な登場人物紹介/関係地図を掲載

*本書の原本は、2013年に講談社選書メチエより刊行されました。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sheemer

16
大河ドラマ「光る君へ」の時代考証をたった一人で担当することになったという歴史学者による、ドラマの主人公の一人・藤原道長の私的な日記・御堂関白記の解説本。陽明文庫で自ら撮影してきた原本の写真、その現代語訳、解説で成り立っている。いきなり中宮彰子の入内のスケジュール変更で日記を大抹消するところから始まるなど、ポイントを押さえたコンサイスな紹介記で、飽きさせない。ドラマの虚実の実の側に近い部分を押さえられて楽しい。同著者の原文全訳なども他にあります。これで読書メーター500冊!2024/02/04

ゆずきゃらめる*平安時代とお花♪

14
平安時代、藤原道長の時代には同時期に「御堂関白記」「小右記」「権記」があるが「御堂関白記」は藤原道長が具注歴という吉凶を記したものに書かれている。天気のの晴れや曇りまで書いてる日まで・・最初は筆が違うのか汚い字だ。 漢語で無理に書いてるから長い分はよく間違えるし墨で消している。現代語訳されてないとわからない部分も。倉本さんがいうもう一つの「御堂関白記」はあるんだろうか・・。2024/01/10

チョビ

4
なんかノートの取りっぷり、字の下手さがどっかの誰かに似ていて、気分だけ摂政太政大臣(笑)。御曹司のためノートの取り方を知らないおバカさんなのー!そんな奴が世を渡れるって凄さしかないし、本人ももしかすると日記を書くことが教養ではなく、文字通り勉強だったのかも。誰にも見せないからこそ、都合の悪いことは書かないなど、性格の悪さが垣間見れるところが最高に面白い。でもそれがわかるのは実資・行成がしっかり記録しているからで・・・。皆さんもSNS、気をつけようね!あと道長ってわりと「エコ」よ、「エ・コ」!2024/02/28

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