内容説明
古今東西の文芸に通暁した著者が、作品を自在に引用しつつ綴る文学論、文章論、そして人生論。書物と読書への愛情あふれる随想集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おはぎ
4
ひとつひとつじっくり読む。表題の「余生の文学」はいわゆる世間における「若さ」を失いつつある今読めてよかった。解説にもあるが何度もくりかえし読んでその時々の感想を持ちたい作品。2024/01/14
Fumoh
2
吉田健一による文学エッセイ。とても面白い本で、文学・小説・評論において理解を深めるのにとても役に立つ本である。文学とは芸術なのか、文章の美しさはアートなのか? 著者はこの命題には否定的である。そもそも「文学」とは何か、「言葉」とは何か、「芸術」とは何か、あまり真剣に議論されていない場合が多い、という。著者は平易な言葉を用いるが、内容はアカデミックである。確かに「文学・芸術」というのは感覚的に用いられる言葉であるし、現状というより理想を語った言葉である。そも「芸術的な文章」とは何か、おぼつかない。2023/11/27
十文字
1
ここで吉田が提起した問題は、現在に於いても解決されていないのでは。2024/02/03