内容説明
漁網が多数漂着する世界遺産・知床。海外からのゴミが流れ着く南西諸島。日々、特殊車両を使わないとゴミを除去しきれない湘南海岸……。いまや日本のすべての海岸が、大量の漂着ゴミで覆いつくされようとしている。それらのゴミはなぜ発生し、どこから来るのか。また、わたしたちの生活や生態系にどのような影響を与えつつあるのか。そして、いま求められる対策とはなにか。忍び寄る海ゴミの脅威の実態に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
寝落ち6段
15
ここ数年、アカウミガメやコアジサシなどの海洋生物の保全活動に関わる事もあり、浜辺に打ち捨てられた無残なゴミの山を目の当たりにしている。当然、手弁当で清掃活動に従事することもある。日本のゴミも多いが、外国のゴミも漂着している。どこの国が悪いのではなく、海が繋がっている以上は、どの国も悪い。経済活動が活発になるということは、大量生産大量消費にならざるをえない。処理方法の開発は後回し。そういった目先の利益追求が、海を含め自然環境への負担を積み上げているのだと思う。どうしてもこういう問題に関しては悲観してしまう。2025/10/04
莉庭Reethi
6
★★★2015/08/05
かきたにたくま
0
日本は海に囲まれているということ、日本だけの問題ではなく周辺を巻き込んでいかないと解決はできないこと、地元でなんとかしようにも法にも問題があり、主に費用の面で解決ができないこと。などが分かった。モラルでなんとかなればいいのだけれど、それで無理なら啓蒙活動がインセンティブを与えるしかないわな。でも立ち止まっているとゴミだらけになるので、その矛盾を抱えつつ活動しないといけないからゴミ問題は困った問題だ。範囲が広い分、陸よりもたちが悪い。2015/09/11
shin
0
漂着したごみを清掃するにも、そのごみが誰が出したのか分からないため、自治体が財政負担しなければならないため、清掃を行うだけでもひと手間かかる。ごみの多くを占めているペレットをマッピングする研究の進展が気になる。2014/09/30
taming_sfc
0
小島あずさ・眞淳平両先生による2007年の著作。漂着ごみにはこれまで関心を持ったことが正直なかったが、一気に読めてしまった。特にこの問題は、ある種国内・国際法の盲点の問題であり、善意による作業だけに頼ることができない点において、まさに環境ガバナンスが問われているといえよう。そこで、本書の結論部分にある「プラットフォーム」の思考は、欧州の環境プラットフォームでも存在し、環境ガバナンスの有効なspurとなっていることから、今後鍵概念となろう。2010/10/20