竹書房文庫<br> 美しき血 竜のグリオールシリーズ

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竹書房文庫
美しき血 竜のグリオールシリーズ

  • ISBN:9784801937567

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内容説明

動かぬ巨竜グリオール。テオシンテ市に横たわる彼の体には、川が流れ村があり、体内では四季が巡る。その巨体には、いまだ解明されていない多くの謎がある。グリオールの血液を研究していたロザッハーは、黄金色にきらめく美しき血に混沌とした多彩な快感を与える効用があることを発見する。四年後、ロザッハーは〝マブ?と名付けた竜の血から精製した麻薬により巨大
な財を成していた。しかし彼はその代償として、テオシンテに渦巻く権力と暴力、そして決して逃れられぬ巨竜の思念に翻弄されていく――。

〈竜のグリオール〉シリーズ、唯一の長篇にして最終作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

もち

13
「グリオールは明らかにきみを守っているからな」◆封印された巨竜の身体に栄えた町で、医師はその血を元に薬物を精製する。血の作用により体感時間がスキップされつつも、膨大な富を築いた男。隣国との情勢を覆すため、暗殺作戦に自ら参加するが――。■シリーズ最終作。あの密度で長編、読み切れるのか、と心配したが杞憂だった。ねっとりした雰囲気と描写はそのままに、設定がテンポの良さに直結した巧みな構成。政治と権力と皮肉と諦念が融合し、有り得ないはずのファンタジー世界を生々しく彩る。2023/11/16

本の蟲

13
魔法で時を止められた、全長1マイルを超す巨竜グリオール。とどめを刺すための数百、数千年にも及ぶ試みのなか、周囲に人が集まり、都市が発展し、もはや竜は土地の一部と化し、体内で四季が巡っている。竜の血から精製した麻薬で財をなし、都市の権力構造に食いこんでいく男ロザッハー。しかし彼の人生は、常に巨竜の意思に翻弄されていて…。第一作「竜のグリオールに絵を描いた男」や、第二作「タボリンの鱗」で語られた竜のいる町テオシンテ市の終焉まで、全てを包括したシリーズ唯一の長編にして最終作。作者死去により、もう出ないのが残念2023/11/13

Ai

6
グリオールシリーズ最終作。グリオールの血から精製される麻薬マブを見つけた主人公の物語。グリオールの、関わる人間の運命を変える力に翻弄されている。このシリーズで好きなところは、グリオールの存在以外は現実と一続きのリアルな社会が構成されているところ。今回は、マブ事業で拡大する利権と政治が絡み合う。そういった背景もあって、ラストはすごく心地よかった。もっと続きを読みたい気もしたけど。2024/03/17

おーすが

6
グリオールシリーズ3冊目、最終巻。前2冊は短編集なのだがこれは長編。主人公ロザッハーは若かりし日の諍いから竜の血を注射されたことにより、数奇な運命を歩み始める。それってグリオールのせいなの?とモヤモヤする世界観が他二冊に通底しており、そこがいい。グリオールという未知の自然。虫多めで興奮する。伏線も散見され、不機嫌そうなキャネタイも登場。冷徹で強欲な主人公に肩入れはできないが、哲学的内省というかグダグダしつつ孤独を諦めて受容していく様になぜか癒される。次巻が出ないのは寂しいが満足。2024/01/17

Abercrombie

3
竜の血を麻薬として売り、莫大な財を成した男の一代記?もしくは、彼の生き様を通して語られる、竜の周りに拡がった街テオシンテの年代記? いずれにしても、前二作同様やっぱりさっぱり話に興味が持てなかった。2023/11/27

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