扶桑社BOOKS<br> ロシアとは何か

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ロシアとは何か

  • 著者名:宮脇淳子
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 扶桑社(2023/10発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784594095635

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内容説明

アイデンティティーもわからない、
イデオロギーも失われた国の焦燥はどこから来るのか?
ロシアとは何か ─モンゴル・中国から歴史認識を問い直す─

ロシアを紐解けば世界がわかる!

「偉大なるロシアの復活」を標榜してウクライナ侵攻を続けるプーチンのロシア。一体、プーチンの描くロシアとは、何百年前の、どのようなロシアなのでしょうか? ロシア人とはどのようなルーツの人々なのでしょうか?
 習近平の中国もまた「一帯一路構想」を提唱していますが、ユーラシア大陸全体を支配する世界覇権をめざしているに等しいのです。
「文明と文明の衝突の戦場では、歴史は、自分の立場を正当化する武器になる」と著者は説きます。ところが、「イスラム文明の内部では歴史学は意義の軽いものにすぎず、地理学の補助分野」であり「いまでもイスラム諸国は、イスラエルやヨーロッパ・アメリカ諸国との関係において、自分の言い分がなかなか通せず、つねに不利な立場に立たされている」。また日本でも、自虐史観に反発する人は対抗するものとして日本神話を持ち出したりするように、「歴史とは自分たちが納得できるように過去を説明するストーリーであり、文化や立場、国ごとの世界感や歴史認識により、その筋書きが違ってくる。よって、史実が明らかにさえなれば、紛争の当事者双方が納得し、問題が解決するというようなものではない」……と本書には、まさに現代の不安定な世界情勢を読み解く「歴史認識」への示唆が凝縮されています。
 著者の夫であり師である碩学、岡田(故岡田英弘)史観のエッセンスを紐解きながら、日本人にとっての世界史理解、世界で果たすべき役割に導く内容です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

南北

50
ロシアがウクライナ事変を引き起こした理由は何か?そういう問いに対する1つの答えを提供してくれる本である。歴史家の岡田英弘が提唱した「岡田史学」を基に「ロシアとは何か」という著作を引用しながら、検証していくところは楽しく読めた。ロシア史では「タタールのくびき」により発展が遅れたと主張することが多いが、実際はモンゴル帝国の影響を大きく受けて発展したことが示されている。ウクライナとロシアが一体であるとするのはある種の妄想であり、モンゴル帝国から征服欲だけを受け継いだロシアには正当性はないと言える。2023/11/21

TheWho

9
東洋史(中央アジア)の歴史学者で、東京外大名誉教授で東洋史学者の岡田英弘の妻でもある著者が、夫岡田英弘が提唱する「世界史の始まりをモンゴル帝国による欧州文明・中国文明の接触」を基に現在のユーラシア大陸の独裁覇権国家である「ロシア」と「中国」の実像を描く歴史読本。冒頭で岡田史観の説明から始まり、ロシア史の矛盾や中国が目指すモンゴル帝国の再現、そしてロシアと中国が囚われるモンゴル帝国の呪縛を克明に論述していく。歴史の改竄とモンゴル帝国再興を夢想する中露怪物国家を説き明かす興味深い一冊です。2024/03/14

古本虫がさまよう

8
ロシア語も十分ではなく、ロシアの専門家ではないと断りつつ、夫で師匠でもある岡田英弘氏の「岡田史学」の継承者として、「厄介な国・ロシア」を論じつつ、モンゴル、中国からの歴史認識を問いなおしている。 学問は自説や定説を批判的に検証していくことによって発展していくものだと思うが、著者も学問とは「自説を疑い、叩いて確かめては一歩ずつ前進する、という地道な苦労をともなうものです。修正につぐ修正を繰り返すことが学問の王道なのです。言ってみれば『修正主義こそが学問だ』ということです」と喝破している。2023/11/18

yamaoka

7
とても面白い。今ロシアが仕掛けている戦争の背景や、中国の一帯一路の背景など、過去の研究や文学作品をもとに推考している。歴史なんて半分は勝者の勝手な物語だと思ってたが、改めて目から鱗。そもそも歴史のない文明がある。歴史の捏造なんて当たり前で、都合の悪いことは捨て去られる。大陸の国々のサラミ戦法。各国が自国中心の歴史なので、話合えば分かり合えるなんてことはない。しかし、これから私達はどのような国になりたいのか、世界でどんな役割を果たしたいのかをはっきりさせることが、今の日本人に必要と説いている。同感である2024/02/12

Ukyoaki

4
タイトルのロシアに限定した記述は多くなく,歴史認識に関する本という感じ.「共通の,和解のための」歴史認識は,「いかにして自国が有利になる歴史を相手に認めさせるかのゲーム」というコメントには賛同した.2024/02/18

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