内容説明
1955年、京都大学の学術探検隊に同行し、西アジア諸国を歴訪した著者。
その体験から生まれた視点により、対立ではなく平行進化として東西の近代化を捉え、〈中洋〉を提唱する。
60年代にかけての東南アジア、アフリカ各国訪問を経て、比較宗教論へと連なる論考の集成に、著者の到達点を示す「海と日本文明」(2000年)を増補する。
〈解説〉谷泰
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
特盛
26
評価3.2/5。世界史や文明史を構造的に捉える上で一つの名著ということで名高く手に取るが、いまいち力を入れて読めず。。。論文ということだけど、実証性なくほぼ思いつきの感想文じゃないか、という印象が読中ずっと頭から離れず。刊行後数十年経ち、本書から始まった比較文明論の系譜も多くあろう。本書の意義や革新性を心の底から理解するには、私は後付けで答え合わせされた常識に浸りすぎているのだろうな。2025/07/19
アメヲトコ
9
1967年単行本刊、74年文庫化、2023年増補新版。梅棹氏の有名な世界史理論で、概略については知っていましたが、初めてきちんと読みました。ともすると環境決定論としても読めてしまうきらいがあるものの、それまでの東洋・西洋二元論にとらわれず、生態学の考え方を援用してクリアな見方を提示したというのはやはり魅力的です。2025/04/19
おやぶたんぐ
4
探検つながり(?!)で。昭和30年の学術探検隊に参加した著者が描き出す史観モデル。世界システム論(ttps://bookmeter.com/reviews/69601177)とは全く異なる生態的観点からのアプローチはダイナミック。本書刊行に際して付された解説では、その有効性の限界故の意義も述べられている。2023/12/17
なかすぎこう
3
題名は難しそうだが、内容は柔らかく、必要な語句以外はひらがな、また、筆者の論文はすべて彼が1950年代から60年代にかけて行った東南アジア、インド、中東への調査旅行という体験に基づいているので説得力があり、又楽しい。世界を楕円で描き大文明の発祥地である乾燥地帯を中心に、二つに折ると日本は西ヨーロッパに、東南アジアは東欧に重なる。その双方が、歴史・地理的に同じような変遷を経て来た、という論は読む人をうならせる。そして今世界の注目を集める中東の偉大さ。まことに日本は温帯地方でぬくぬくと暮らして来たのだと思う。2024/10/27
tuppo
2
これはどういうことなんだろう?われわれにとっては宗教もまた歴史的存在である。だから寺もうつろい、くちて、ほろびるものである。しかしこれらの国の人々にとっては宗教は超歴史的存在なのだ。だから寺は、神は、仏は、つねに不滅である。それはくりかえし再生し、つねにあたらしくなければならないのであろう。このように考えれば彼らにおいてこそ宗教は本当に生きているのである。崩れかけたパゴダに美を見つけて喜ぶような我々こそ宗教的感動と美的享楽とを混同する低級な人間であろう。2024/10/02




