ドイツ公法史入門

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ドイツ公法史入門

  • ISBN:9784326404278

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内容説明

法治国家、権力分立、国民主権……ドイツ人は国家についてどう思索してきたのか。「公法についての学問史」という視点の下、神聖ローマ帝国からヴァイマル時代を経て東西分断・再統一まで、数世紀にわたる憲法――国のかたち――を巡る学問の歴史を、行政法や社会保障、国際法・EU法などと連携させつつ描く、ドイツ公法史の金字塔。

目次

序 文

第1章 イントロダクション,対象,方法
 1.歴史の対象としての法
 2.ユース・プーブリクムIus publicum――公法
 3.学問史
 4.方法論についてのアドバイスと参考書籍

第2章 ローマ法からの解放――国制法(フェアファッスングスレヒト)の法源論の変遷
 1.出発点としてのローマ法
 2.新たな時代環境
 3.新たな国制法

第3章 揺籃期公法学の諸潮流
 1.「政治学」
 2.国内に法源を求めて

第4章 帝国公法学,自然法,国際法,「良きポリツァイ」
 1.帝国公法学
 2.自然法と国際法
 3.自然法(自然と万民の法Ius naturae et gentium)
 4.良きポリツァイ
 5.小括

第5章 革命と王政復古の間の公法
 1.政治世界の大変革
 2.ドイツ同盟
 3.ドイツ一般国法
 4.領邦(ラント)の国法及び行政法

第6章 パウル教会

第7章 帝国国法学
 1.法治国家と法的方法
 2.一般国家学

第8章 初期産業社会の国家における行政法
 1.パースペクティブの転換
 2.代表的な行政法学者たち

第9章 ヴァイマル憲法の下での国法学・行政法学
 1.「国民主権」始動の時代
 2.国法学の役割
 3.ヴェルサイユ条約と国内統一

第10章 方法論争と一般国家学の諸流派
 1.揺らぐ土台
 2.ウィーン学派
 3.方法論争,あるいは路線の対立
 4.学派形成
 5.代表的著作

第11章 ヴァイマル共和国時代の行政法
 1.継続と変容
 2.州の行政法
 3.概説書類
 4.介入国家化にともなう対象の拡大

第12章 ナチス国家とその公法
 1.権力委譲
 2.精神的断頭
 3.学術誌
 4.緊急時「憲法」の構成
 5.中心的な論争点
 6.国際法
 7.行政法と行政学
 8.「生存配慮」及び総括

第13章 ドイツの法的地位,再建,二つの国家
 1.零時のドイツ?
 2.大学の再建
 3.研究機関及び学術誌類

第14章 新しい「価値秩序」と法治国家の再建
 1.基本権に対する初期の反応,注釈書及び概説書
 2.連邦憲法裁判所
 3.法治国家と基本権
 4.デモクラシー
 5.一般国家学から憲法論へ

第15章 社会国家・介入国家としてのドイツ連邦共和国
 1.社会国家と「社会法」
 2.継続的介入
 3.行政法の変容
 4.大学の拡大

第16章 ドイツ民主共和国における国法・国際法・行政法
 1.政治的基本構造
 2.研究機関と学術誌

第17章 ヨーロッパ法・国際法

第18章 再統一
 1.外交上の伏線
 2.国法と国際法の課題
 3.再統一の在り方
 4.大学の再編成・新設

第19章 グローバル化と国家の将来
 1.第一のグローバル化
 2.第二のグローバル化
 3.国民国家の将来
 4.憲法国家の将来

第20章 終わりに

訳注
参考文献
図版一覧
訳者あとがき
事項索引
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

うえぽん

36
公法+法史と言う新分野を開拓した第一人者が、大学初年生にも理解できるよう、2000頁以上の研究成果をコンパクトに再編集した本。17世紀に良き秩序の総体(ポリツァイ)について論じた学問の一部がポリツァイ法、その後の行政法に分化した歴史や、ナチスや東独での学問的中断、戦後の社会国家化や民主主義との関係性等を簡潔に説明。近年の国民国家の輪郭の変化により公法が再び私法、刑法と強い結び付きを持つ中、国家と憲法、行政と行政法を再統合させ、支配と自由、国家と社会の相互作用に関心を向けるよう説く姿に歴史家の信念を見た。2024/03/17

馬咲

6
公法が独立の法分野として成立し学問的対象となっていく過程、ドイツ法学の抽象化・体系化志向や「法治国家」理念形成の経緯、現代公法学の直面する諸問題等が簡潔に記されている。「法治国家」は「法の支配」と比べ権力の介入に積極的な面を持つ概念だが、介入を憲法の目的(基本権の保護)に向けて制御すべく、戦後ドイツは連邦憲法裁判所を核とする司法制度を発展させた。それは司法の政治に対する強い影響力(監視者を越えた「建築家」的役割)を承認する、教科書的「三権分立」の理解からは異質な制度だが、切実な歴史的反省が反映されている。2024/07/08

フクロウ

5
2024年現在に「完成型」としてお出しされるドイツ憲法学を見ている身からすると、1989年のベルリンの壁崩壊以前の東ドイツ憲法学や、1945年以前のナチス政権下の憲法学すらよくわかってなかったと思い知らされる。それ以前の国法学の伝統も含め、憲法、行政法、国際法(EU法も含む)の通史を、今では誰も気にしないような細かいポリツァイ法令や今では忘れさられた二流、三流の学説も含めトータルに描出、位置付け、中世から現在までのドイツ公法史を綴っていく本書は、ドイツでは画期的とされるが、日本だと中田薫の業績が既にある。2024/11/07

261bei

2
ローマ法以来の伝統ある私法と違うのはもちろん、国制史ないし憲法史(=政治制度の記述)とも異なる、ドイツにおける「公法」を成り立たせる言説をトータルに追跡した著者の4部作を初心者向けにダイジェストした本。ドイツにおいて「公法」が成立した原因は、教会の分裂によってHREを教会以外に定礎する必要に迫られたことにある。結果として、国制に関する法(⇒憲法)、国際法、自然法論、ポリツァイ学(⇒行政学・行政法)が成立。18~20世紀の政治史の中で専門分化しその姿を変え、現在もEUやグローバル化との関係で変化しつつある。2025/05/13

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