内容説明
人生の節目で催される行事を総じて冠婚葬祭という言葉があります。冠は成年として認められる成人式を、婚は婚姻の誓約を結ぶ結婚式を、葬は死者の霊を弔う葬式を、祭は先祖の霊を祀る祭事を指します。四つの行事は、人生の始まりから終わりへ、そして当人が死してなおその先まで縁を繋いでいきます。故に冠婚葬祭は多くの物語で描かれてきましたが、連綿と変わりなく続いているように見えながら、私たちの社会や文化と同じように絶えず変化が生まれているはずです。現在の、そしてこれからの私たちと冠婚葬祭をテーマに書かれた六つの短編小説からなる文庫オリジナル・アンソロジー。/【目次】もうすぐ十八歳=飛鳥井千砂/ありふれた特別=寺地はるな/二人という旅=雪舟えま/漂泊の道=嶋津輝/祀りの生きもの=高山羽根子/六年目の弔い=町田そのこ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
164
特別な一日・・短編6話。圧倒的に最後の町田さん『六年目の弔い』に持ってかれた感じ。さぁ、私ならどうする?って問われた気がする(勝手にだけど)私なら多分話さない。駆け落ち迄した相手にうり二つの忘れ形見・珠美・・「あなたをあの日あの時、見たから夫は事故に遭ったのよ」そう言ってあなたにとっての父親を還してなんかやらない。って思う私は鬼だわね(汗)あなたに罪も怨みもないけれど。2023/12/26
machi☺︎︎゛
103
冠婚葬祭をテーマに書かれたアンソロジー。飛鳥井さん、寺地はるなさん、町田そのこさんは安定して良かったけど初読み作家さんたちもすごく良かった。2024/03/31
チーママ
93
冠婚葬祭をテーマにした短編小説アンソロジー。『襷がけの二人』の嶋津輝さんと町田そのこさん目当てに読んだが、家と会話できる特殊能力を生業に諸国を放浪する女師匠と助手のちょっと切ないラブストーリー、雪舟えまさんの「二人という旅」が良かった。嶋津さんの作品は「漂泊の道」。いつもながらどこか艶っぽくてカッコ良い女性が登場する。女同士の関わりを描かせたらこの方は本当に上手い。最終話は町田さんの「六年目の弔い」。これぞ大トリを飾るに相応しい作品。まさかの伏線回収が実に見事で、おお!と叫びそうになった。2024/09/25
J D
84
冠婚葬祭をモチーフにしながらSFやミステリーの香りが漂う作品もあり、楽しめた。冷静な目で見ても大トリの町田そのこさんの「六年目の弔い」痺れた。こういう話だと町田そのこさんの独壇場だなと思う。最後のエッジの効かせ方がまたいい。嶋津輝さんの「漂泊の道」にもグイグイ引き込まれた。寺地はるなさんの「ありふれた特別」ほんのりと幸せな感じがいい。大トリの町田作品だけのために手を取ったけど、発見のある読書だった。結構オススメです。2024/10/20
Natsuko
67
6篇のうち、私の中で安定・安心の作家さんより、馴染みのないお二人の作品が印象に残った。 雪舟えまさん「二人という旅」:家読み師シガとクローン人間ナガノの旅。突拍子もない設定だがぐんぐん引き込まれた。“私と彼の二人旅も『二人という旅』へと色合いが移っていくようだ。” 嶋津輝さん「漂白の道」:喪服を中心に据えたある一族の葬儀ヒストリー。喪服の選び方、着こなし、個性…こんなにストーリーになるものだと感心。 お二人とは他アンソロジーで出会っていたことが分かり「あ!あの作品の!」という嬉しいあの感覚をまた味わえた。2024/08/04
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