岩波科学ライブラリー<br> インフルエンザウイルスを発見した日本人

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岩波科学ライブラリー
インフルエンザウイルスを発見した日本人

  • 著者名:山内一也
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • 岩波書店(2023/10発売)
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  • ISBN:9784000297219

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内容説明

1918年のインフルエンザ・パンデミックに際し,その病原体がウイルスであることを示した日本人がいた.埋もれていた論文の著者山内保は,細菌よりも小さく「見えない」病原体に,どのようにして迫りえたのか.黄金期のパスツール研究所に連なる病原体の狩人たちの事績と人生をたどり,医学探究のドラマを描きだす.

目次

序章 インフルエンザウイルスの発見者T・ヤマノウチとは誰か
友人からの突然の問合せ
新聞記事に学界権威として現れた名前
発見者の改訂へ
パスツール研究所との新たなつながり
1 インフルエンザ菌からインフルエンザウイルスへ――インフルエンザの原因探究の歴史
インフルエンザの歴史と細菌説の登場
一九一八~一九年パンデミック:プファイフェル菌が病原菌なのか
山内の実験と主張:濾過性ウイルスへ
際立っていた山内の報告
コラム 共同研究者の坂上弘蔵と岩島寸三
その後の展開
ウイルスの発見と分離
2 天才の直感と濾過性ウイルスの概念の確立
パスツールの直感
狂犬病ワクチンの開発
パスツール研究所の創立
黄金期を迎えたパスツール研究所
ラントシュタイナーとレヴァディティのポリオウイルスの実験
コラム ラントシュタイナーの血液型発見
3 パスツール研究所の黄金期を支えたメチニコフ――波乱の人生を歩んだ異才
生まれながらにして天才科学者
動物学者としての道
食細胞の発見
パスツールとの出会い
パスツール研究所での日々
長寿への関心と梅毒のサル実験モデルの確立
コレラ菌の人体実験から生まれたプロバイオティクス
第一次世界大戦の勃発
コラム 破傷風抗血清の腐敗防止とワクチン開発
コラム 日本と強い絆をもった次兄のレフ・メチニコフ
4 パスツール研究所で山内が行った先端研究
パスツール研究所で学んだ最初の日本人
当時先端の研究課題にとりくむ
梅毒の血清診断と動物モデル
アトキシルと睡眠病
コラム 梅毒治療薬サルバルサンの開発
ウィーン大学でのアナフィラキシーの研究
外科医ドワイヨンとの共同研究
コラム 長野泰一のウイルス抑制因子(=インターフェロン)発見の論文
5 メチニコフのロシア調査団と野口英世のパスツール研究所訪問――山内の貴重な体験
メチニコフのロシア調査団
コラム ツベルクリンの歴史
野口英世のパスツール研究所訪問
6 山内保の生い立ちとその後
山内保の生い立ちから渡欧まで
日本の研究界への批判
野口英世の純粋痘苗(天然痘ワクチン)の臨床応用
コラム 痘苗からの細菌除去
山内保事件
おわりに
文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けぴ

50
インフルエンザウイルスを初めて発見したのは1933年に英国のクリストファー・アンドリュースのグループとされていたが、1919年に山内保がランセットに発表した論文が最初の発見であったという本。著者も山内であるが関係はないそうです。そんな凄い人物ですが、後半生は麹町で内科開業をしてひっそり暮らしていたという。人生、どうなるか分からないものですね。2023/12/15

くらーく

3
著者とは同姓だけど縁もゆかりもない山内保教授。実はインフルエンザウイルスを世界初で発見したかもしれない方だそうで。いや、当時は、北里柴三郎、志賀潔、野口英世、秦佐八郎など綺羅星のごとくいた中で、山内保という名前は知りませんでした。明治の日本は本当に赤丸急上昇にみえるだろうな、欧州からすると。肌の色も違うのにね。 当時のコッホ研究所と並ぶパスツール研究所。ドイツとフランスの特徴が出ていて、非常に興味深いね。今でもそうなのだろうか。そして、軍とからんだ晩年の汚職。。。日本らしいのかもな。地位と金と品位と。2023/09/24

takao

2
ふむ2024/01/12

Steppenwolf

2
G本書は同姓であり研究内容も関連する著書が前世紀初頭フランスに渡って研究した一人の日本人の業績を追うという体裁になっている.私にはむしろメチニコフという偉人の功績が大きいように見えて仕方がない.山内さんという人はその研究所の一員としてメチニコフ研究室で研究したという程度に思えた.主人公の山内さんのことがあまりわからないということも一因であろう.晩年は最終章に触れられるように意外な幕切れである.ただ楽しい読書であったことはまちがいない.2023/08/22

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