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内容説明
本書は,生活水準の比較経済発展論を,市場の成長を中心にすえた経済史の伝統に接続することを目的とする.すなわち,比較の主軸を日本におき,主として西欧の,しかし潜在的には中国の歴史的経験との比較をも念頭に,近世から近代工業化まで見通した,ユーラシア両端地域の比較経済発展論を構築する試みである.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
目次
はしがき
序 比較経済発展論
第I部 経済発展とは何か
第1章 生活水準の比較史
1 背景
2 豊かさの東西比較論――18世紀の認識
3 古典派経済学者の歴史観
4 経済史における東と西
第2章 分業と市場と成長――概念整理
1 分業と市場の成長
2 スミス的成長
3 労働市場と格差――分業のもう一つの側面
4 分業とスキル
第II部 近世の経済成長
第3章 生活水準の異文化間比較――一人当り産出高と実質賃金
1 一人当りGDP
2 実質賃金
3 概念と方法
4 水準とパターン
5 新たな問題
第4章 二つのスミス的成長パターン
1 二つの指標,二つのパターン
2 経済史的背景
3 対照的なパターン
第5章 所得格差の動向
1 北西欧と日本における水準と動向
2 1840年代の長州藩
3 身分階層別世帯所得の推定
4 異文化間比較
第6章 家族経営と土地・労働市場
1 賃金労働者世帯と農家世帯
2 要素市場――西欧と東アジアにおける発展の途
3 小農社会における労働力の構造
4 小農社会と労働市場
第III部 近代の分岐と収斂
第7章 産業革命――工業化の開始とその波及
1 英国の産業革命
2 英国経済のパフォーマンス
3 産業革命と構造変化
4 「世界の工場」の実像
5 生活水準
第8章 諸国民の工業化
1 後進性
2 19世紀後半のヨーロッパ
3 ヨーロッパ域内の地域連関
4 キャッチアップと径路依存
5 日本の経験
終章 工業化の帰結
参考文献
索引