内容説明
創刊以来「権力に媚びない」姿勢を貫いているという、この独特の夕刊紙は「安保法制」「モリ・カケ・桜」など安倍政権の「大罪」に、どう立ち向かったか。同紙の第一編集局長が10年間の戦いの軌跡と心意気を大公開。『回顧録』などでは隠された闇を徹底検証し、論破する。「左」も「右」も注目の一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まこみや
58
「三代目が家を潰す」とは周知の諺だが、この場合「家」とは日本国のことだから、他人事と冷笑して済ます訳にはいかない。在任中も三代目の無理無体な言動を「無理が通れば道理が引っ込む」「とても法治国家とは思えない」と驚きと怒りの気持ちで眺めていた。しかし法も経済も財政も外交も国会も官僚機構と公文書保管も木鐸たるマスコミやジャーナリズムも好き放題に蹂躙されて、今なお彼の亡霊が嘘と誤魔化しで後戻りできない袋小路に追い詰めているこの国に果たして明日があるのだろうか。2023/11/25
たま
54
安倍夫妻と知り合いの知人(勿論富裕層)は良い人たちだと言う。知人の証券マンも熱烈支持。同世代の友達は反原発・反軍備・反イエ社会が殆どなので鋭く批判。私自身は物言いが軽率で行儀の悪い人だったと思う。森友学園の「議員も辞める」発言とか「アンダーコントロール」とか女性議員の質問への答え方とか。日刊ゲンダイ編集長が安倍政権を振り返る本は政権の10年が良く整理され面白い。米国政府と反動支持層の機嫌を取りつつその場凌ぎの言葉と政策で綱渡り。野党も事情は同じだろうが…。そしてそれで億兆の予算を左右できるのが恐ろしい。2024/02/02
ドラマチックガス
19
大昔、mixiにニュース機能がついたころ、下劣な日刊ゲンダイの記事が表示されるのがすごく嫌だった。「日刊ゲンダイの記事をニュースからはずせ」というようなコミュニティにも入っていた。あれから十数年、いつの間にか安倍政権を真っ向から批判する数少ないメディアになり、応援していた。安倍政権とそれに続く岸田政権(あれ?一個飛ばしているぞ?)のおかしさをわかりやすく指摘している。ただ、政権のおかしさは十分すぎるくらいわかったけれど、結局「じゃあなぜ国民は支持したのか」についてはノータッチだった。そこが残念。2023/12/26
エク
12
裏金問題が炸裂してる今読むと、いかにこの数年が異常だったのかが改めて分かる。検察もマスコミも本来の仕事をしてなかった、いや忖度して自主規制していた。そのカリスマ性は歴代総理でもトップクラスだったんだろうが、法の支配とは真逆の人(ネトウヨ )の支配にしてしまった負の方向性は明らか。大手のマスコミよりゲンダイが最もジャーナリズムを持ち続けている所が皮肉な感じ。2024/01/10
どら猫さとっち
8
日刊ゲンダイ第一編集局長が、第二次安倍政権と立ち向かい、報じてきたかを綴った10年戦争の記録。森友・加計両学園と桜を見る会の内実、アベノミクスの失敗、破壊された民主主義、そしてメディア…。これからの日本を建て直すには、本書をまず読んでおいたほうがいい。そして、強権政治に屈せず立ち向かうメディアの在り方を、私たちは学ぶ必要がある。2024/01/06