内容説明
相手の合意を得たうえで、ふたり以上の恋人やパートナーを持つ――そのような関係性をポリアモリーという。不倫や浮気とは何が異なる? 嫉妬の感情は生まれないのか? 子育てはどのように行うのか? 社会のなかで抱える困難とは? 日本に暮らす当事者100人以上に取材・調査してその実態を伝える、国内初の複数愛ルポルタージュ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りんご
42
ポリアモリー:複数愛 と、一言で括っちゃうとなんかエロい想像しちゃいそうですが、読んだらわかる、ポリアモリーの生き様。ポリアモリーを実践する当事者を「ポリー」と呼ぶ。ほら、これなんか良さげな響きだよね。「好きな人が嬉しいことは自分も嬉しい」好きな人と恋バナで盛り上がれるって事か、ああ、楽しいかもしれん。もうだいぶ枯れてきたので、パートナーを独占はしなくても(されなくても)いいかな〜って思えてきたわ。生涯未婚率がどんどん高くなる昨今、こういうパートナーシップだってアリなのかな?と思えた。2024/05/17
びぃごろ
18
ラジオで知る。チキさんが本を出した、一人に絞れず何人も好きになってしまう?「ポリアモリー」って??いやはや驚いた。LGBTQがかなり浸透してきたが、また新たな形態・関係性を唱える言葉の出現である。現代日本では単数愛、一対一で付き合うべきだという社会的価値観がある。同性愛は「理解できること」だが、複数愛は「いけないこと」と考える人が多いだろう。私もこの本を読むまではそう信じきっていた。もはや同性婚だけでなく単一の婚姻制度では収まらない、アメリカの複数の都市では複数パートナーシップ制度が条例化されていると!2024/03/30
ハルト
17
読了:◎ ポリアモリー。複数人を同時に愛せる人々。正直理解が及ばない関係ではあるのだけれど、そういう概念を持ち、実際に複数のパートナーと共に暮らし子を成して生活しているという人もいることに驚く。好きな人が増えても愛は減じず、同じ熱量でパートナーたちを好きでいられるというのは、不思議な感覚。でも、こういう関係があってもいいのだと、本書を読んで容認したくはなった。ただ社会制度的には認められるのはまだまだ難しそう。それに当事者同士も、嫉妬心があったりもして、複雑な関係性だと思う。徐々に認知されていけばいいと思う2024/01/23
二人娘の父
10
適当な表現とは言えないかもしれないが、率直に本書から受けたのは「衝撃」である。性的指向の多様性以外にも、性的関係の多様性ということがあり得る...冷静に考えればその通りなのだが、それは従来社会規範のなかで抹殺されてきたもの。そこを掬い取り、光をあてた著者の研究姿勢には脱帽である。もう一つの衝撃は「自分もそうなのかもしれない」という当事者感覚。これまでまったく心の中に閉じ込めてきた思い・気持ちが、実は解放の道があるのかもしれない(まだ確信はできていないが)という感情である。きわめて貴重な読書体験となった。2023/11/30
はるのびん
9
ポリーな人たちの話を読んで「分かるわ!」とか「確かに!」ってなったと言うことは自分はポリアモリー傾向があるのかな?でもそもそも特定のパートナーがいても「あの人素敵だな」「なんか波長が合うな」「もっと話をしてみたいな」なんてことは誰しもあるのでは?これもポリーなのかな?2024/02/07