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内容説明
不倫、怨霊、呪詛、没落……モデルとなった貴族たちの驚きの現実! まるで平安の週刊誌!? なぜ貴族たちは、『源氏物語』に夢中になったのか。それは貴族たちが、この物語に強烈なリアリティを感じたからに他ならない。『源氏物語』には、実在の人物や事件を連想させる要素が満載だったのだ。光源氏、頭中将、六条御息所、弘徽殿女御など、主役から脇役、敵役まで、モデルと考えられた人物や事件を紹介しつつ、平安貴族たちのリアルな日常を解説する。 ●頭中将が頭中将である必然性 ●「六条御息所」という設定の意味 ●怨霊に全てを奪われた元皇太子妃 ●天皇と乳母との関係 ●弘徽殿女御を凌ぐ後宮の暴君 ●藤壺中宮以来の天皇の母親になった皇女 ●明石の君のリアルとしての宮道列子 平安貴族の目線で『源氏物語』を読むと紫式部の深い意図が見えてくる。2024年大河ドラマが10倍面白くなる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さくらさくら
40
源氏物語の登場人物のモデルや当時の人々の生活や考え方のリアルが書かれている。意外だったのが、源氏物語は当時の時代小説だった事。当時のリアルを知る事でより一層源氏物語が面白くなる一冊です。2023/11/01
shikashika555
39
源氏物語登場人物のモデル?と思しき実在の貴族や、作品が書かれた当時の貴族たちの解説。 源氏物語や今期の大河ドラマを見る上で 楽しく学べる副読本。 藤原道綱母と兼家についての解説と、 明石の君のモデル?としての宮道列子と藤原高藤のエピソードが 読んでいて楽しかった。 明石の君のような女性って、実在したのね。2024/04/25
みこ
27
私たちにとって遠い異世界物語のような源氏物語も当時の人にとっては当然ながら身近な話であった。登場人物のモデルとなった実在の人物の生き様や当時の風習などを紹介。恋愛がとりあえず肉体関係から入るところとか、息子の失恋話を書き続ける藤原道綱母とか色々理解に苦しむことも含めて興味深く読める。巻末は疫病や呪詛といった当時身近なものでありながら逆に源氏物語で描かれていない部分にフォーカスを当てる。こちらも面白かった。2023/11/17
宇宙猫
21
★★★★★ 平安時代の読者が「源氏物語」の登場人物に重ね合わせるだろう人物を 当時の習慣と共に紹介。大河に重なる部分は、こういう事になるからその動機をいま作っているんだなっていうのが分かって楽しかった。女性視点の解説が多くあり、今まで読んだ本は殆ど男性目線の習慣で書かれていたと気づく。「夕顔」のように"女性が自宅から連れ出されるのは尊厳を踏みにじられる行為"など、光源氏は想像以上に酷いやつだったんだと知った。2024/02/03
蝸牛
12
各章やコラムに人物関係図を配しているのが分かり易くて良い。各章で歴史の(人の)興味深い側面を掘り下げていて読み応えがあるし、2種類のフォントを使い分ける書き方・読ませ方は話が頭にスッと入る。2024/05/23