天気が良ければ訪ねて行きます

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天気が良ければ訪ねて行きます

  • ISBN:9784866430874

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内容説明

ソウルでの生活に疲れ切ったヘウォンは、ひと冬を故郷で過ごそうと、山と湖に囲まれた片田舎のバス停に降り立った。隣の空き家は、いつの間にか小さな本屋になっていた。「グッドナイト書店」。店主のウンソプにとってヘウォンは、初恋の人だった。彼女が戻ってきたことで、静かな冬の生活が変わっていく……。

外は冷たい銀世界が広がり、グッドナイト書店の中は温かく穏やかな時間が流れる。ふたりの間には、雪の結晶のように、ひとつふたつと少しの重たさも感じさせずに、愛情が舞い落ちていく。ゆっくりと溶けていく痛みと孤独。やがて明らかになる過去の秘密とは――。

傷つくことを恐れる人、傷つくことに疲れた人。それぞれが再び人生を歩み始めるまでの、心温まる愛の物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

雲母

27
とても素敵なお話しでした。韓国慧川市 ブッキョンリの田舎での物語。複雑な過去を持ちながら書店を経営する青年ウンソプ。辛い過去を抱えソウルで絵画塾講師だった女性ヘウォン。二人は幼馴染だったが親交は殆どなかった。帰省したヘウォンとウンソプを中心に書店で開く勉強会に参加する老若男女やヘウォンの叔母等が織りなすファンタジーの様な話しでした。読んでいる最中とても温かな気持ちになれました。極寒の季節の表情も良く読後幸せな気分になれます。この本を原作にドラマも制作されています。他の作品も読みたくなり只今物色中です。2023/04/27

雲母

24
再読 やはりこの作品は私に優しい。片田舎にあるグッドナイト書店を中心に店主の人柄か、そこに集う人々が温かい。かと思うと主人公それぞれの過去が重くミステリーを含んでいるのです。グッドナイト書店「おやすみ書店」良い名前だなと文中にありますが、私もそう思いました。店主ウンソプがこの物語の雰囲気そのものの様に思います。初恋の相手ヘギョンの前での言動と、お店のHPに描き込む事のギャップが微笑ましい。この本はずっと手元に置いておいて何度も読み返したい1冊ですね。2023/11/11

kaoriction@感想は気まぐれに

23
黙々と淡々と生きること。それが誰かの幸せにつながることもあるということ。自分では気づかぬ存在理由もあるかもしれないということ。いまいるその場所が自分の居場所なのだ。一生懸命生きることの難しさと、幸せ。ありがとう と時には自分に呟こう。片田舎の書店、読書会、背負ってきた過去、温かい言葉に深く静かな愛。世界観が好きだ。グッドナイト書店の非公開ブログも好き。全編に流れる言葉がいい。語感がいい。書き留めたい言葉がたくさんあった。きっと何度も読み返す作品だ。2年ほど積まれていた本著。天気が良くなったから読めた作品。2022/11/29

すみっちょ

15
すごくよかった。うまく言い表せないけど、とにかく私はとても好きな本です。完璧じゃないけど素敵で好ましい人がたくさん出てきて、いい言葉もいくつもあって、なんとなく自分も少し前向きになれる物語でした。あぁよかったなぁとホッとできる終わり方なのも嬉しい。ちょうど雪の日にクルミハウスが寒波に襲われる場面を読んでいたので、うちもこうなったらどうしようと思いました。(こちらはそこまで寒い地域ではないのですが)2024/02/08

フランソワーズ

15
へウォン、ウンソプ、ミョンヨ。みな過去に負った傷が癒やされないまま生きている。自分の居場所を探しながら。年が経ち、片田舎の独立系書店「グッドナイト書店」を場に、さまざまな人たちが集い、彼らを囲む。日常からちょっと離れて、やってくる。ただ楽しいひとときばかりではない。やがて対決しなければならない自らの傷。和解とも、再生とも少し異なる、「天気が良ければ...いいときが来たら、状況が良くなったら...」という、ゆっくりとした、そんな前向きに変わった彼らを温かい眼差しで描いてゆく。2023/01/24

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