日本経済新聞出版<br> 穀物の世界史 小麦をめぐる大国の興亡

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日本経済新聞出版
穀物の世界史 小麦をめぐる大国の興亡

  • ISBN:9784296115358

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内容説明

《戦争や革命勃発の背後にアメリカ産小麦の存在――》
19世紀初頭より帝政ロシアは、ウクライナの黒海に面したオデーサの活況を呈する港を通じて、ヨーロッパの大部分に食糧を供給していた。しかし、アメリカ南北戦争の後、大量のアメリカ産小麦が大西洋を渡ってヨーロッパに押し寄せるようになり、食糧価格は急落した。安価な外国産穀物は、ドイツとイタリアの台頭、ハプスブルク家とオスマン帝国の衰退、そしてヨーロッパ各国による勢力圏の争奪戦に拍車をかけ、第1次世界大戦とロシア革命が勃発する決定的な要因となった。
国家の盛衰に説得力ある新たな解釈を加えた本書は、大国同士が鎬を削るなかにあって、穀物の支配が比類のない力を示してきたことを物語っている。従来の歴史観をゆさぶる注目書。

【目 次】
はじめに
第1章 黒い道 紀元前1万年~紀元前800年
第2章 コンスタンティノープルの門 紀元前800年~紀元1758年
第3章 重農主義的な膨張 1760年~1844年
第4章 ジャガイモ疫病菌と自由貿易の誕生 1845年~1852年
第5章 資本主義と奴隷制 1853年~1863年
第6章 アメリカの穀物神 1861年~1865年
第7章 爆発音と大変化 1866年
第8章 何をなすべきか 1866年~1871年
第9章 穀物の大危機 1873年~1883年
第10章 ヨーロッパの穀物大国 1815年~1887年
第11章 「ロシアはヨーロッパの恥」 1882年~1909年
第12章 オリエント急行、行動軍 1910年~1914年
第13章 パンをめぐる世界戦争 1914年~1917年
第14章 権力の源泉としての穀物  1916年~1924年
おわりに

目次

はじめに
第1章 黒い道 紀元前1万年~紀元前800年
第2章 コンスタンティノープルの門 紀元前800年~紀元1758年
第3章 重農主義的な膨張 1760年~1844年
第4章 ジャガイモ疫病菌と自由貿易の誕生 1845年~1852年
第5章 資本主義と奴隷制 1853年~1863年
第6章 アメリカの穀物神 1861年~1865年
第7章 爆発音と大変化 1866年
第8章 何をなすべきか 1866年~1871年
第9章 穀物の大危機 1873年~1883年
第10章 ヨーロッパの穀物大国 1815年~1887年
第11章 「ロシアはヨーロッパの恥」 1882年~1909年
第12章 オリエント急行、行動軍 1910年~1914年
第13章 パンをめぐる世界戦争 1914年~1917年
第14章 権力の源泉としての穀物  1916年~1924年
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

67
穀物の歴史というよりは、小麦の生産と輸送が、世界の、特に帝国の歴史に大きな影響を与えてきたという視点から、世界史を再構築したもので、大変に興味深い本だった。それは単に食糧であるという最重要な点だけでなく、輸送や金融、通信のシステム構築、さらには青年トルコ革命やロシア革命につながっていく。また、その中でのキーパースンとしてユダヤ人革命家で穀物商人でもあったパルヴス(ローザ・ルクセンブルクの評伝で名前を知った)の動向をかなり詳細に取り上げていた。レーニンを運んだ封印列車の仕掛け人だったとは!現状本年のベスト。2025/05/28

やいっち

62
内容案内には、「国家の盛衰に説得力ある新たな解釈を加えた本書は,大国同士が鎬を削るなかにあって,穀物の支配が比類のない力を示してきたことを物語っている。従来の歴史観をゆさぶる注目書」とある。書店で観て即座に手を出した。名著であるジェームズ・C・スコット著『反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー』(立木勝訳 みすず書房)を読んでの強い読後感が影響したのかも。 2025/01/22

よっち

40
紀元前から今に至るまで、大国同士が鎬を削る中にあって,比類のない力を示してきた穀物の支配から国家の盛衰に説得力ある新たな解釈を加える一冊。長年続いたコンスタンティノープルの存在感ゆえのロシアの南下政策。ヨーロッパの大部分に食糧を供給していた帝政ロシアという構図から、大量のアメリカ産小麦による食糧価格の急落。それがドイツとイタリアの台頭,ハプスブルク家とオスマン帝国の衰退,そしてそれが第1次世界大戦とロシア革命が勃発する決定的な要因に繋がってゆく、穀物から見た世界構造の変化としてみるとなかなか面白いですね。2023/12/11

やいっち

13
内容案内には、「国家の盛衰に説得力ある新たな解釈を加えた本書は,大国同士が鎬を削るなかにあって,穀物の支配が比類のない力を示してきたことを物語っている。従来の歴史観をゆさぶる注目書」とある。書店で観て即座に手を出した。名著であるジェームズ・C・スコット著『反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー』(立木勝訳 みすず書房)を読んでの強い読後感が影響したのかも。 2025/01/22

sakadonohito

12
原題を直訳すると「穀物の海〜アメリカの小麦が世界を変えた方法〜」となる。西洋人の主食穀物は小麦なのでこのような題名になったのだろう。食料供給の物流と金融及び地理的条件が世界に与えた影響について書かれていると感じた。読んでみると主役というかフォーカスが主に当たっているのはロシアだと感じた。穀物輸出のためにロシア帝国は不凍港である清の大連まで債権を大量発行しながら鉄道事業に邁進したが、日露戦争で大連と南満州鉄道を失ったロシアは計画が頓挫し債務不履行となった。なるほどな〜。2025/08/09

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