内容説明
東京駅を作った人!―― 唐津藩の下級武士・辰野金吾は上京し、英国に留学。日本銀行や東京駅を手がけて、近代日本の魂をも作った! 見事な人間讃歌、書下ろし特別作品。
● わが国近代建築のなかで、東京駅はおそらく最も多く小説に取り上げられてきたものであろう。とくに私の記憶に残っているのが、江戸川乱歩『怪人二十面相』である。
怪盗が帝都に跳梁する状況下、待ちに待った名探偵明智小五郎が帰朝し、颯爽と東京駅に降り立つ。この名探偵を外務省の役人に変装した二十面相がプラットホームで出迎え、二人はステーションホテルの一室で対決する。
「この駅はあたかも光線を放射する太陽のようなものだ。あらゆるものの中心となって、ここから光を四方八方に放ってほしい」と、開業の祝賀式で時の首相大隈重信が述べた言葉は、まさに以後の東京駅と近代日本の行く末を言い当てることになった。――(あとがき)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れんこ
18
万城目学さんの本を読んで気になっていた建築家辰野金吾さんについての小説。知らないことがたくさんあり、面白かった。改めて東京駅を見に行きたい。2016/02/06
れんこ
7
再読。2018/06/01
やむやむ
5
恥ずかしながらアーキテクト=建築家という意味だと初めて知りました。幕末の世に生まれ育ち、明治の文明開化と共に、「建築家」という職業を日本に確立させ、日銀や東京駅を設計建築した辰野金吾の物語。物語の視点は金吾本人だけでなく、幕末には主人格だった曾禰達蔵、友人や部下からと章ごとに入れ替わるが、視点のバランスは全章を通して絶妙に保たれ、辰野金吾という人物を横で見ているかのように炙りだしてくる。明治にこんなに先進の気質に富んだ人物が織り成す近代史もあったのかと、一気に読了。いつか東京駅に行く夢が出来た。2020/03/20
紺。。。
3
私が生まれたときは既に八角形の屋根の東京駅でした。だからドーム屋根の東京駅を見たことは無かったはずなのに、復元された東京駅を見て「やっぱりこれが東京駅だよね」と思った不思議。それだけ、辰野金吾の設計した東京駅が完成されたデザインだったのではないかと、勝手に納得しています。東京駅駅舎の完成当時、「古くさい」と酷評されていたとは驚き。2015/06/10
湖宮
1
東京駅、日本銀行その建築物を通して『辰野金吾』という人物の魅力に惹かれ、江戸から明治の激動期に於ける日本の建築史を垣間見ることが出来た。建物にかける建築家の情熱と拘りは凄まさは素晴らしい。2018/09/02
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