出版社内容情報
鎌倉幕府の滅亡後、建武政権の興亡、南北朝分立、観応の擾乱と、京都は深刻な状況が続く。全国の武士はなぜ都に駆けつけて争い、それは政治過程にどのような影響を与えたのか。義満の権力確立までの60年を通観する。
内容説明
鎌倉幕府の滅亡後、建武政権の興亡、南北朝分立、観応の擾乱と、京都は深刻な状況が続く。全国の武士はなぜ都に駆けつけて争い、それは政治過程にどのような影響を与えたのか。義満の権力確立までの六〇年を通観する。
目次
謎多き激動の十四世紀―プロローグ
1 鎌倉幕府、滅亡
2 建武政権
3 足利尊氏の反乱
4 初期室町幕府の時代
5 観応の擾乱
6 内乱収拾の糸口
7 足利義満
内乱を終えて―エピローグ
著者等紹介
山田徹[ヤマダトオル]
1980年福岡県に生まれる。2003年京都大学文学部卒業。2009年京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。2010年博士(文学)。日本学術振興会特別研究員、京都大学文学部助教、同志社大学文学部助教を経て、同志社大学文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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南北
48
鎌倉幕府滅亡から足利義満の時代までを描いている。南北朝時代を中心としたこの時代はわかりにくい点も多いので、政治史を中心にまとめた本書の内容はよかったと思う。足利尊氏などが長距離を移動して戦った理由が、勢いのある方に加担する傾向が強い武士が多かったこと、したがってどちらの陣営かも把握せずに戦に参加していたことなど興味深い記載があった。室町時代初期の観応の擾乱に1章を当てた点も評価したい。この事件単独で新書が出ているくらいわかりにくい事件だが、要点を押さえた形でわかりやすく解説していたと思う。2023/12/01
アメヲトコ
10
21年7月刊。「京都の中世史」の第1回配本で、正中の変から足利義満までの南北朝の動乱を扱います。全国総無党派層のような時代で、勢いがあると見られた方に雪崩を打つ。端から見ると訳がわかりませんが、その背景にある論理が丁寧に解説されます。全編政治史が主体ですが、舞台としての京都の都市空間(著者の言葉では「場」)が意識されており、そこは「京都の中世史」の面目躍如。2021/08/28
吃逆堂
6
充実の南北朝畿内政治史。室町幕府のもとで京都や畿内がどう位置づけられていくのか、ということが丁寧にかつ整理されて叙述されている。ただ、シリーズ名から類推される、“内乱による都市京都の荒廃と復興および都市民の姿”が描かれていないのは、政治史上の史実のボリュームと紙幅の兼ね合いからやむを得ないことか。2021/09/30
イツシノコヲリ(丹波國)
5
鎌倉幕府滅亡から足利義満までの政治史を扱う。京都の中世史の中では、一番読みやすい文体と感じ、コラムも充実していて面白かった。鎌倉幕府滅亡の理由や足利義満がどのように政治の実権を握っていったことなどが分かりやすくまとめられていて非常に良かった。足利尊氏は優柔不断な性格であるとは知らなかった。僕に似てるな…2023/01/25
onepei
4
徐々に京都周辺以外はどうでもよくなってくる(力が及ばなくなる)というのは興味深い コラムもよい2021/09/11