内容説明
千所千泊。そうして私は自分の知らない自分を見つけてきた。
今回のテーマは「旅と人生」。日本各地の見知らぬ土地を訪れ、そこで泊まることを志しているという作家・五木寛之。なぜ旅に出かけるのか? 旅に出ると発見がある。自分の目で見て、足で歩き、人々と触れあい、その肉声に学ぶことで、その土地の陰影が生じて旅の面白さが増す。それを味わい、反芻することで、新しい自分を知ることができる。そして、今や「百年人生」と言われる人間の寿命そのものが長い旅でもある。90歳の「生き方の先輩」が贈る人気シリーズ。第6弾!
第1章 日本の旅が示唆してくれるもの
第2章 食の体験を思い返しながら
第3章 人と芸能――山形と秋田の旅
第4章 風景と伝承――鳥取と島根の旅
第5章 宗教と文化――大阪の旅
第6章 「心の武器」が人生を豊かにする
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なお
41
『ラジオ深夜便』での対談を「人生のレシピ」として、幾つかのタイトルに纏めたシリーズ第六弾。91歳になられた著者の言葉は変わらず温かい。全国各地を巡った著者が印象に残った山形と秋田、鳥取と島根の旅を紹介する。日本海側は明治以前の日本の外交の玄関口であり、江戸時代の北前船を中心とした輸送ルート。日本の歴史の中では表街道だったという。最後の章に「本当に泣いた経験があり、涙を流した人が大きく笑える。涙も笑いも両方大事」とあった。「年々にわが悲しみは深くしていよよ華やぐいのちなりけり」 岡本かの子の歌が心に沁みる。2024/02/28
神谷孝信
2
著者の相変わらずの精力的著作活動に参考になる内容多くあり。42023/12/07