華の人―有田に生きた薔薇の貴婦人・敏子の物語

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  • サイズ B6判/ページ数 334p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093881302
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

帝都東京で自由を満喫していた女学生・敏子。慶応大学剣道部主将と恋に落ち新しい生命を宿す。嫁ぎ先は佐賀県有田。明治、大正、昭和と駆け抜けたモダンガールの短くも熱き生涯。

内容説明

時は大正十三年。東京の女学校に通うモダンガールが大恋愛の末に嫁いだ先は皇室御用達の名門窯元だった。自由な生き方を望みながらも激動の時代ゆえに受ける幾多の試練。明治、大正、昭和を熱く生きた伝説の女性「敏子」の生涯を追った物語。

著者等紹介

伊藤緋紗子[イトウヒサコ]
横浜生まれ。横浜雙葉学園卒業後、上智大学・同大学院仏文科修士課程修了。在学中にフランス政府給費留学生としてソルボンヌ大学に留学。帰国後、通訳、慶応大学講師などを務めた経験を生かし翻訳や女性のライフスタイルをテーマにした執筆活動に従事。2007年より佐賀・有田ふるさと大使(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ゆみねこ

18
明治の末期旭川で生まれ、のびのびと育った敏子が、東京の山脇高等女学校で大正モダンの息吹を受け、輝く青春を送る。やがて運命の人と出会い、九州有田の製陶会社の跡取りと結ばれる。嫁として生きることより、新しい形の夫婦になりたいと思った敏子。姑との葛藤に悩みながらも自分を貫いた30年の生涯。明治・大正・昭和という女性の地位が低い時代に有田という封建的な町で人々に鮮烈な印象を残した女性だったことだろう。しかし文章が堅いのか、やや読みにくい本だったかも。2012/09/21

とくてる将軍

4
【図書館】前から気になっていた本。有田の深川製磁に行った時に益々敏子に興味が湧いてやっと読めた。忍耐と一人の男性を最後まで愛し続ける女の強さ。そこは敏子もモトも似ている。子育てが仕事と気づいたけど30歳という若さで亡くなられた。もし長生きされたら有田焼に違う風を吹かせたかも知れない。2013/11/21

Ayako H

3
旭川の富豪のお嬢様が、有田焼で有名な深川家に嫁ぎ、なくなるまでのお話。大正時代にのびのび育ったお嬢様の話が読みたかったわけではなく、有田の磁器で有名な深川家に興味があって読み始めたけど、私にはちょっとピントがずれていました。 とはいえ、大正時代に育った新しい考えを持つ人が、早くに嫁いで、その家になじめず、なんと30歳で亡くなってしまう、という生涯はなかなか興味深くもありましたね。2013/11/02

tougeichan

2
大正時代、富豪の娘おしゃれで美しいモダンガールの緋紗子が、北海道の旭川から九州佐賀の有田焼きの五代目窯元に嫁いできた。旭川から東京まで37時間もかかる時代である。中心は姑と嫁との確執のストーリーである。どちらもこの時代には珍しく大学の高等教育を受けているが、姑は古い家風の家柄 、嫁は外国に憧れるモダンガールである。この窯元はパリ万博で2メートルに及ぶ大壺で金賞をとっている。そう実話なのである。この時代の女性は、親に従い、夫に従い、夫の死後は子に従いの時代。結局緋紗子は30歳の若さで亡くなるのだが、さて・・2011/10/12

おーね

2
表題に惹かれて読みました。大正時代を生きた女性ではあるけれど時代の大きな枷を外し、新進の気鋭をもって生きようとした人の短い一生の話でした。でも65年前だとは思えない今と悩みは変らないです。2010/08/29

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