内容説明
医療制度・改革論の決定版、待望の増補改訂
医療費の増加に加え就業人口の減少が進むため、日本の国民皆保険は危機的状況にある。歴史分析と国際比較により日本の医療制度の構造を明らかにし、今後の改革の方向性と具体的な政策を提示。初版から約10年、最新の政策動向を含め大幅に加筆した待望の増補改訂版。
【主要目次】
序章 問題の所在と分析視角
I 歴史――日本の医療制度の沿革
1章 医療制度の基盤形成期
2章 医療制度の確立・拡張期
3章 医療制度の改革期
II 比較――医療制度・政策の国際比較
4章 医療制度・政策の国際比較――総論およびドイツの医療制度改革
5章 米国の医療制度改革と日本への示唆
6章 スウェーデンの医療制度改革と日本への示唆
III 展望――医療制度の改革の方向性と政策選択
7章 医療保険制度の基本問題
8章 各医療保険制度の構造と政策課題
9章 医療供給制度の構造と改革の方向性
10章 医療供給制度の改革手法
終章 総括――要約・結論および課題
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hurosinki
7
講義では医療政策について一切習わなかったので勉強になった。医療制度を大きく医療供給制度(デリバリー)と医療財政制度(ファイナンス)に分けている。 日本はファイナンスを公的医療保険でカバーしているが、デリバリーは民間が中心である。ファイナンスは「公」、デリバリーは「私」と、珍しく公私が組み合わさっている(米国だと両方とも「私」、西北欧だと両方とも「公」らしい)。2021/08/27
Metis
1
図書館本。これはじっくり時間をかけないと読めないと思った。日本の医療制度の歴史や課題、今後の展望など、著者の考えと共に語られている。 今回はDPC制度に関するところを中心に拾い読み。2022/09/22
もりたく
0
医療制度の経路依存性とともに基礎自治体(市町村)と都道府県の役割分担が如何に政治的な意図を持って形成されてきたかに驚かされる。政策=中央府省と考えがちであるがそれは一部の領域のみだと気付かされる。2022/08/18