幻冬舎単行本<br> 同じ星の下に

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幻冬舎単行本
同じ星の下に

  • 著者名:八重野統摩【著】
  • 価格 ¥1,672(本体¥1,520)
  • 幻冬舎(2023/10発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 450pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784344041868

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内容説明

この誘拐犯が、わたしの本当のお父さんだったらいいのに――。

号泣、必至! 最後に待ち受ける驚愕の真相と、最後の最後にもたらされる大きな感動。


同級生はみな幸せそうだ。なのになぜ、わたしだけが、これほど不幸な目に遭い続けるのだろう。

12月の北海道。中学2年の少女・沙耶(さや)は、自分を日常的に虐待をしてきた両親が、今夜、海で自分の殺害を計画していることを知っていた。ところが下校途中「児童相談所の職員」を名乗る男の車に乗せられ、そのまま誘拐・監禁される。監禁下の交流から、ふと彼女は、男が、じつは「本当の父親」ではないかと疑い始める。一方、男は身代金2000万円が目的の営利誘拐であると犯行声明を北海道警察に送りつけ、粛々と計画を進める。男は一体、誰で、目的は何なのか?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hiace9000

194
愛も庇護もない両親の元でのネグレクトと虐待の続く不遇な生活に比較し、誘拐犯と過ごす穏やかで豊かな温かな時間。特異な状況下に置かれた沙耶に共感を禁じ得ないのは、『ペンギンは空を…』と同じく、八重野筆による卓越した思春期の内面描写ゆえ。先を読ませぬ謎重ねで一気にラストまで走り切るリーダビリティと、物語そのものの喉越しの良さで、読後感は静謐にして実に晴れやか。同じ星の下に生まれながらも歴然と存在する不平等、不条理。人が「祈る」ことの本義…、そこに改めて触れた手の平に残るのは、仄かに光る優しさと温かさなのである。2025/07/17

いつでも母さん

175
親からの虐待、殺されるかもしれないならいっそ殺してしまおうか。何のために生きているんだろ・・そんな思いが支配する中2の少女・有乃沙耶。児相の面談前に誘拐されるところから物語は始まる。誘拐されてからの数日、温かな光で沙耶を包むのが切ない。我が子より目の前の現金に目が眩む親を前に、誘拐犯や捜査する警察は子の幸せに思いを馳せる・・そして、優しい誘拐犯・渡辺の真実が明らかになる時(ちょっと予感はあった)私も苦悩と共に感謝で読み終えた。2023/10/29

のり

157
出生の秘密・虐待・誘拐と次々と悪夢と言える現実を背負った、中学生の少女と誘拐犯の男。お互いに誰にも言えない苦悩を抱えながら生きてきた。負の連鎖はあまりにも大きな代償を負った。だが、二人の間には絆も生まれた。衝撃のラストに向かいながら、読み手として着地点を探ったが、思わぬ救いがあって良かった。それにしても、最悪の親達だった。2024/08/26

モルク

141
中2の沙耶が誘拐された。犯人は警察を通じ身代金二千万円を請求するが、沙耶の家は貧困家庭。金を用意できるはずもなく、さらに虐待していた彼女に愛情もない。立派な家にバランスのとれた食事を提供してくれ、紳士である犯人との生活は沙耶にとってはじめて過ごす穏やかな時間だった。なぜ犯人は身代金目的の誘拐というリスクの高い犯罪を犯さなければならなかったのか、そしてなぜ沙耶だったのか。真相は最後にわかるが…帯にあるほどの号泣はない。毒親と思いやりのある犯人の対比。その後真相を皆がすんなり受け入れた様子に寧ろ驚いた。2024/10/25

となりのトウシロウ

129
読み友さんのお勧め本。貧困家庭で親からの虐待を受けている中二の沙耶。渡辺を名乗る児童相談所員に誘拐・監禁される。しかし、沙耶にとっては普段の生活から大きくかけ離れた暖かく幸せな時間だった。誘拐されて監禁されているのにそっちの方が幸せってどんだけ辛い生活を送ってたのかと心が痛む。しかし、渡辺は何者で、真の目的なのか全く分からず。とにかく沙耶にとって幸せな時間が長く続くように祈りながら読み進める。やがてエピローグで提示される真実を知った時、心の底からの感動で思わず涙が溢れる。感涙必至の作品、お勧めです。2025/02/02

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