内容説明
人は皆、出会ったものでできている。
金も夢も友もない上京したての大学生・暖平。
ひょんなことから落語研究会に入ることになり、
“背負亭(しょいてい)こたつ”として高座に立つ羽目に!?
累計100万部突破の名手がおくる、
新しい自分に出会える人生応援小説。
あらすじ
大学進学を機に群馬から上京したばかりの門田暖平は一人、新品のこたつを亀の甲羅のように背負い佇んでいた。配送料が払えず自力で下宿に持ち帰ろうと思ったが、帰宅ラッシュで電車に乗り込むことができない……。
途方にくれる暖平の前に、一台のワゴンが停まる。乗っていたのは、入学式当日、構内で落語を演っていた落語研究会の部長・忽那碧だった。落研に誘われるが、金もなく、コミュニケーションにも自信がなく、四年間バイト生活をして過ごすつもりだと語る暖平。
「必要なのは扇子一本。あとは座布団さえあればどこでもできる」という碧の言葉に背中を押され、暖平の人生が大きく動き出すーー。
・「面白さ」「上手さ」は一つじゃない
・明日が来るのが楽しみになるくらい準備する
・徹底的に同じ型を踏襲し、初めて個性は爆発する
・追い詰められてはじめて、人は真価を発揮する
・どんな時も楽しむ。自分がやりたいことをやる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
154
「徹底的に同じことをやってみないと、個性なんて発露しない。」しっくりくる言葉だ。いつかの自分に聞かせたい。優しく温かくてまた『こたつ』改め『文借亭門田』(あやかりていもんだ)に会いたくなる。「人は皆、出会ったものでできている。」この齢でつくづく実感している私だ。帯の『人生応援小説』は伊達じゃない。悩み多きあの頃の息子にも読ませてやりたい・・そんな読後感。2023/10/25
ehirano1
144
読んで良かったと思えた本でした。「お前はさぁ、出会ったもので出来てるんだよ」が印象に残りました。そう、本書も私が出会ったものに含まれます。ということは、今後の私は本書の一部で出来ていますのできっと素晴らしい未来が待っているに違いない、と思います。2023/12/02
シナモン
115
人間誰でも一つくらいはいいところがある。その良いところに目を向けてそれでよしとする。それはお互い人間だから馬鹿なところとか、自分勝手なところとか、あるよねってのが根底にあるから。みなそれぞれに居場所がある落語の世界の住人の繋がり方、寛容な江戸の社会、素敵だなー。落語の世界に触れられて良かったです。 2023/11/28
タイ子
92
群馬から出たくて東京の大学に入学した暖平。入学してまず彼がやったことはこたつを買ったこと。こたつを背負い持ち帰っていた時に助けてくれたのが後に彼の指針となってくれる落語研究会の部長。ひょんなことから落語に興味を持ち始めた暖平は会のメンバーとも打ち解け徐々に落語に傾倒していく。なにせ、メンバー1人1人がクセがありながらも誰もが良き仲間が気持ちいい。部長と名古屋まで軽トラでドライブする暖平のくだりとか、遠ざけていた父親の仕事を理解していく過程とか胸が熱くなるシーンがいっぱい。落語が繋ぐ人と人の人生は面白い。2024/06/07
ゆみねこ
81
親元から離れたくて大学進学で群馬から上京した門田暖平。入学式で見かけた落研の部長にこたつを背負って歩いているところを助けてもらい、全く縁のなかった落語の世界へ。個性的な落研のメンバーと関わるうちにコミュ障気味の暖平も少しずつ変化してゆく。部長・碧が落語を始めるきっかけ、学祭。そして敬遠していた両親への思いも変わってゆく。清々しくとても読み心地の良い1冊。2024/07/15
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