文春e-book<br> 宙わたる教室

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文春e-book
宙わたる教室

  • 著者名:伊与原新【著】
  • 価格 ¥1,700(本体¥1,546)
  • 文藝春秋(2023/10発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 450pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163917658

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内容説明

定時制高校の教室に「火星」を作り出す――胸が熱くなる青春科学小説

東京・新宿にある都立高校の定時制。
そこにはさまざまな事情を抱えた生徒たちが通っていた。

負のスパイラルから抜け出せない二十一歳の岳人。
子ども時代に学校に通えなかったアンジェラ。
起立性調節障害で不登校になり、定時制に進学した佳純。
中学を出てすぐ東京で集団就職した七十代の長嶺。

「もう一度学校に通いたい」という思いのもとに集った生徒たちは、
理科教師の藤竹を顧問として科学部を結成し、
学会で発表することを目標に、
「火星のクレーター」を再現する実験を始める――。

『月まで三キロ』『八月の銀の雪』著者がおくる、
今年一番熱い青春科学小説!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

421
様々な過去や事情を抱えて新宿の定時制高校に集まった老若男女が「科学部」をつくり、担任教師の指導で火星のクレーター再現実験に挑戦する姿は、明日を信じて生きることを忘れてしまった日本人に何かに夢中になる大切さを教えてくれる。昼間の高校生や偉そうな専門家面をする者には定時制の学生など落ちこぼれでしかなく、妨害や失敗もあってくじけそうになりながら、内に秘めたマグマの熱さで不可能を可能にしていく。セッションの発表で見事優秀賞を得た彼らの前には広大な宇宙が開けるのだ。絶品の青春小説はスレた大人の感性も熱くしてくれる。2023/11/20

かな

340
自分の意識の中にある何かを学びたいという気持ち、いつまでたっても動き出せない気持ち、そんな自分を変えてゆくには目の前にある扉を開けるしかない。とにかく自分から動かなければ何も始まらない。そして自分の前にある扉を思いっきり開けよう。自分を変えよう。生活環境も年齢も違う定時制高校の4人の生徒が紆余曲折を経て教室に宙(そら)を作り上げる。伊与原さんの持ち味を生かした科学と優しさが融合した青春物語。科学が苦手でも読めます。是非読んで見てください、お勧めです。2023/11/11

zero1

318
何故、人は学ぶ?本書の答は私の琴線に触れた。間違いなく今年のベスト本候補。定時制高校には問題を抱える生徒が集まる。ディスレクシア、起立性調整障害、ハーフに高齢者。理科教師の藤竹は生徒を集め【実験】に挑む。やがて化学変化が…。事実をベースにしているだけに説得力あり。幾つかツッコミ所はあるが、知的好奇心を刺激し爽快感ある秀作。養護教諭の佐久間が出した結論【トリアージ】は実に深い。名言多数(後述)。この作家は3冊目。次は「月まで三キロ」を読むか。SF「星を継ぐもの」は読んだが「火星の人」は未読。読まねば💦。2024/03/09

hirokun

317
星5 定時制高校に通う様々なバックグラウンドを持った生徒たちが、教師の指導の下科学部を創部し、最終的には学会の高校生セッションにおいて優秀賞を受賞する物語。普段は、情より理を重視し、本を読んでいても感情の起伏が激しくない私が、非常に感動した。定時制高校の現状についても詳しくなかった私だが、いろんな人と出会い、環境の変化を自分のものとして生かし、自分自身で選択していくことの可能性について気が付かせてくれる素晴らしい作品だった。年金生活者の私も、一旗揚げよう!!2023/11/23

あっちゃん

288
この作家さんの本領発揮(笑)定時制の高校でそれぞれに事情を抱えた生徒達一人ひとりにスポットを当てるオムニバス方式、個性豊かなキャラ達が謎の理科教員に誘われ集って科学部に熱を入れていく、人間関係や実験の行方だけでなく結構ウルウルポイントが( ̄ー ̄)2024/03/30

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