- ホーム
- > 電子書籍
- > 絵本・児童書・YA・学習
内容説明
家族の事情をきっかけに、志していたエリート中学の受験を諦めた中学2年生・海斗は、5歳児の弟・総也の面倒をみる毎日を過ごしている。未来への希望をもたず、心を開く友人もおらず、ひたすらイクメンライフに没頭し毎日を消化していた海斗だったが、あるとき保育園時代の幼馴染5人と嫌々ながら同窓会をすることに。総也をタテに、平穏な日々を守ろうとする海斗だったが……。滑稽で愛おしい14歳たちの迷走と成長を描く物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
81
YA。14歳のイクメンには理由がある。ヤングケアラーでは無い▽中学2年の海斗(かいと)は5歳の弟、総也(そうや)の保育園の朝夕の送迎をしている。放課後は公園に連れていき帰宅後は風呂に入れて絵本を数冊読み聞かせして寝かせつける。何故そこまで弟の面倒を見るのかと言うと、弟の世話を理由に部活も人間関係もせずに済むし、不眠症解消になるから。一流企業を退社し、パン職人になると言い出した父親に絶望し怒りを覚えた海斗は常にイライラしていた。弟に振り回されることで現実から逃げていた。保育園の同窓会として幼なじみが集まる。2022/07/31
みつばちい
31
大企業で研究職につく父親がパン職人目指して仕事を辞めたところから、ひねくれて中学受験を辞め弟の面倒を見ることにした海斗。人付き合いも部活も「弟の世話があるから」を言い訳に逃れる彼を保育園からの友達健吾だけは見抜いていた。全てのことから逃げる日々だったが、ある日久々に再開した保育園が一緒だった彩音から文化祭に誘われる。その後保育園仲間で同窓会をやることになり、少しずつ何かが変わっていく、、、最初人のせいばかりにする海斗が嫌だったが、後半前向きな展開で爽やかでよかった。2022/01/29
信兵衛
27
草野たき作品、やはり凄いです、素晴らしい。 総也をダシにしながら総也に振り回されている海斗の姿も面白いのですが、保育園仲間の4人=健吾、彩音、倫太郎、ずっと不登校の斉藤七菜という顔ぶれが、また良い!2022/06/11
horihori【レビューがたまって追っつかない】
25
中学生の悩める日々と目覚めを描いた成長小説。父親の脱サラと5歳の弟の世話を言い訳に、受験や友達付き合い、夢から逃げていた海斗。幼馴染との再会をきっかけに、身勝手な脱サラと思っていた父親の心境を知り、正直に逃げた自分を認め、向き合い、成長する。中学生には少し優しすぎるかもしれないけれど、思春期の素直になれない頃の気持ちに寄り添っていると思う。2022/02/08
おはなし会 芽ぶっく
21
第48回 北海道指定図書 中学生 年の離れた弟総也(5歳)の面倒をひたすらみる、中学2年生の海斗。ヤングケアラーなことではなく、海斗自らが自分に課したこと。それは自分の人生から目を背けたかったから。けれど周りの友だちや親にいい影響をもらい、自分の道を探し進もうとする。思春期と反抗期が入り混じった多感な年代を上手く表現しています。2022/05/09