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内容説明
ママね、あなたが生まれたとき真っ先に先生に確認したの。「この子、本当に女の子ですか?」って――。
私は、可愛くない。
小さい頃から、ママにはずっとそう言われて育てられてきた。それでもなんとかママに喜んでもらいたくて、中学生モデルのオーディションを受けた。整形手術をして、無理なダイエットを続けたら、仕事がもらえるようになった。可愛くない自分でも、痩せていれば少しは価値があるんだと思った。
その日から私は、食べることが怖くなった。
この本は、私がずっと苦しめられてきた摂食障害・過食嘔吐と、そこに至るまでの経緯を書いたものだ。
この病気がどれだけ危険で根深いものなのか、同じ悩みを抱えるあなたに届けば嬉しい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
45
痛い。彼女の孤独が、自信のなさが、愛への飢えが、食べ物への飢えが。こんなにきれいな子なのに、こんなにまっすぐな文章が書ける人なのに、ありのままの彼女を認めてくれた人はいなかったんだろうか。なぜ、人は愛に条件をつけるんだろうか。やせれば愛される。痛みを我慢すれば愛される。勉強ができれば愛される…。そんな愛のかたちを私も娘や夫、周囲の人に無意識に押し付けていないだろうか。彼女の言葉を読みながら、自分が周囲に与えるかもしれない影響について考えた。生きる事って尊いけれど時にほんとしんどいよね。2024/04/06
れい
5
【図書館】母を責めれば良いという話では無い気がする。義父は性的虐待をしなかっただけでも良かったと思うべきか。自分の意志でそうなったと言うよりは、流れに流されてこの本を書いた時に繋がっているのだなぁと言った印象。もしかしたら、ここに書けないこともあったのかもしれない。元ユーチューバーでインフルエンサー的な立ち位置だし、何より彼女の承認欲求は強い。年をとって容姿が武器にならないとき、どうやって生きるのか。心配ではある。摂食障害は生涯をかけて付き合っていく病気だから無理しないでほしい。2024/10/26
Erika
3
子供の頃に拒食症を発症し、その後過食嘔吐に苦しんだ著者のこれまでの人生について知れた。拒食症になってしまう方はすごく真面目で、それ故に自分を限界まで追い詰めてしまうのかもと感じた。母に可愛いと言われる娘でありたい、芸能界で認めてもらいたい、周りの期待に応えたいと頑張れば頑張る程、本来の自分と理想の自分との乖離に圧迫され苦しくなる。時代が変化しても芸能界や一部の男性が思う「美=細い」の基準は変わっておらず、むしろ年々酷くなっている気さえする。皆が自分の身体に囚われず生きられる世の中になったら良いのにな。2024/07/29
りぃ
3
読みやすかった。事後的になのかもしれないが、客観的に自分のことを見つめることが出来る方なのだなと思った。病気としては食行動の異常だが、根本にあるのは醜形恐怖のように感じた。子供は親の言葉を本当に素直に受け取ってしまうから、「可愛くない」と言われたら、「自分は可愛くないんだ」と思うようになってしまう。思い返せば私は母から外見について否定された記憶がないので、その点は幸せだったなと思う。2023/12/03