新潮文庫<br> 外科室・天守物語(新潮文庫)

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新潮文庫
外科室・天守物語(新潮文庫)

  • 著者名:泉鏡花【著】
  • 価格 ¥649(本体¥590)
  • 新潮社(2023/10発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101056050

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内容説明

私はね、心に一つ秘密がある――。伯爵夫人手術時に起きた“事件”を描く『外科室』。眷族を伴として姫路城天守閣に棲む妖姫が、若き武士と出逢う『天守物語』。二つの代表作に加えて、故郷金沢を情感ゆたかに描く怪異譚『霰ふる』。三島由紀夫が絶賛した絶筆『縷紅新草』。そして『化鳥』『高桟敷』『二三羽――十二三羽』『絵本の春』を収める。アンソロジスト東雅夫が選び抜いた、鏡花文学の精髄八篇。(解説・東雅夫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

65
初期から晩年まで、随筆や戯曲まで鏡花の怪異作品を中心に編まれたアンソロジー。「外科室」だけは好みから外れているが、他は冒頭の「化鳥」から一気に花鳥幸うその世界に引き釣り込まれる。どれも幾度となく読んだが、何度読んでも感に堪えぬ名作ばかり。特に唯一随筆として収録された「二三羽ー十二三羽」は大傑作。庭や周囲に来る雀に注がれる暖かい眼差しが、文章の魔力によってどこか非日常の世界へと変貌していく。「高桟敷」で垣間見る女怪にしても、「絵本の春」の流れ来る蛇にしても、白昼ふと魔に出会うような鏡花作品、大満足でした。2024/06/14

優希

43
美しく、流麗な物語ばかりが集められた短編集でした。繊細な魂で描くからこそ強化の文学は輝くのだと思います。2023/11/03

Shun

39
泉鏡花の作品から幻想・怪奇系を集めた作品集。本作は新潮文庫に最近加わったばかりの1冊で、私が知らないだけかも知れないが幻想系ばかりを集めた鏡花の本は案外少ないようです。代表作「高野聖」で知られる鏡花像の印象からは意外に思いましたが、巻末の解説にその背景が語られています。そして鏡花の筆を天才と評した三島由紀夫、その想いに加えアンソロジスト東雅夫により選び抜かれた作品が堪能できる1冊となっている。文体がやや古く読み難いところもありますが、表題作「天守物語」の妖と人の異類譚は怖ろしさと愉快さありの戯曲で面白い。2024/09/08

ちえ

39
編者が東雅夫。鏡花らしい幻想的な話に一編だけ随筆。既読は「外科室」と「天守物語」。まず最初の「化鳥」に引き込まれ、そればかり何度も繰り返し読み進まない。それから最後の「天守物語」を2回、3回。気を取り直して最初に戻り、途中「高桟敷」にまた引き込まれる、まさに幻想の沼にはまるよう。言葉は確かに難しかったりするけど、それがために途中で繰り返し読み返すことが余計この世界にはまるのかしら。2024/01/16

みねね

37
だめだ全然わからん…と思いつつ、とりあえず読み進める。すると突然、あっと視界が開ける。筋の通らぬ描写は魔の仕業だった。(お前人間じゃなかったんかい)と何度思ったことか…。/一番理解できなかったが面白かったのは縷紅新草。どこからどこまでが、と思い解説を探して読む。2025/02/12

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