検証・学歴の効用

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検証・学歴の効用

  • 著者名:濱中淳子
  • 価格 ¥3,080(本体¥2,800)
  • 勁草書房(2023/10発売)
  • ポイント 28pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326653812

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内容説明

学生の学力低下を問題視するあまり、世論の大勢が教育過剰論へと傾いている。しかし、大学は本当に多すぎるといえるのか。もはや学歴に意味はないのか。詳細なデータ分析から、大卒のみならず、専門学校卒や院卒といった学歴の効用を明らかにし、学歴に対するまなざしを歪ませた背景にまで迫る。現状に警鐘を鳴らす学歴社会論、誕生!

目次

はしがき――個人がコントロールできる数少ない地位達成手段「教育」

序章 学歴不信社会の到来?
 1 増大する学歴の効用
 2 「学歴の効用」を疑う風潮の広がり
 3 研究者は何をしていたのか
 4 本書の構成とデータ

第I部 大卒という学歴を問いなおす

第一章 高卒と大卒は何が違うのか――人材としての質的違いにみる学歴の効用
 1 「学歴で人材タイプが変わる」という視点
 2 注目する三つの要因――現職以前の経験・他者との関わり・自己学習
 3 同じ学歴でも異なる所得
 4 高卒人材・大卒人材それぞれの成長要因
 5 効用をめぐる新しい見方――その可能性と意義

第二章 出世する大卒・しない大卒――「学習経験」が学歴内の多様性をもたらす
 1 分散から考える「学歴の効用」問題
 2 経済学における二つの理論と「学び習慣仮説」
 3 みえにくい経済学系の効用
 4 ミドル以降に上昇する効用
 5 時間の隔たりが失わせてしまう効用観
 6 効用があらわれるための「条件」としての学習習慣

第三章 大卒人材と読書
 1 「自己学習の中核である読書」の効用を考える
 2 工学系の読書と経済学系の読書
 3 読書と所得のつながり方
 4 きっかけとしての専門書

第II部 もう一つの学歴社会論――女子・専門学校・大学院

第四章 女子と学歴
 1 女子の進学という未解明問題
 2 女子高等教育の経済的効用――正規社員・非正規社員・結婚
 3 経済合理的に説明できる進学需要の変化
 4 「女子の高学歴化」以降の課題

第五章 専門学校への進学は「得」なのか
 1 「第三の進路先」としての専門学校
 2 政府統計資料による分析の限界と本章のアプローチ
 3 専門学校卒業者が従事している職業
 4 専門学校教育の効用分析
 5 「期待できる効用の範囲を知る」ことの重要性

第六章 院卒という学歴は「使えない」のか
 1 注目されはじめた院卒学歴問題
 2 院卒就職の厳しさ
 3 背景としての政策と現行の対応策の不十分さ
 4 データにみる院卒学歴の強さ
 5 状況改善のかすかな兆し

第III部 「学歴の効用」の認識社会学

第七章 学歴不信社会の源泉――三つの社会的要因
 1 「なぜ、不信が芽生えるのか」という問い
 2 効用低下の実体験
 3 妥当な試金石の欠如と報道の影響
 4 速すぎた高学歴化

第八章 学歴と「健全に」向き合える社会へ
 1 学歴好きの学歴嫌い
 2 諸悪の根源は、入試?
 3 大衆化育ちの大衆嫌い
 4 教育を軽視する社会――地に足がつかない「北欧好き」
 5 普通の子の学びを見守る「健全な」社会へ

あとがき
文献
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

34
「勉強し、教育を受け、学歴を取得すること以外に、自分自身の力で状況をよくする手段がどれだけあるだろうか」。まさに。◇大卒学歴の効用の増大という事実によって団塊世代の印象論に基づく誤った言説を覆し、<学生時代の学習・読書習慣→現在の学習・読書習慣→現在の知識能力→現在の所得>という構造でそのつながりを解き明かす。変化の時代にふさわしいコンピテンシー教育。通常の「○○大学に合格するほど地頭がいいから高収入」というシグナリング理論と異なり、この「学び習慣仮説」なら、いつから学びを志しても手遅れじゃないのもいい。2017/04/16

Moloko

5
学歴について他の矢野氏の文献と同様の分析結果が出たもの。使っているデータの多くも同じようなもののような気がするが、大学全入時代と言えども大卒の経済的効用が高いことから始まり、大卒と高卒では前者では自分の意志で仕事に関する学習をした人ほど所得が上がりやすいという成長要因を発見している。大学の勉強内容が直接に所得を向上させる訳ではないが、教科書などの専門書を読んだり、能動的に勉強する習慣が自己学習する習慣にも繋がるという示唆や、女子と学歴の効用、専門学校の効用は資格職以外で限定的など、面白い内容もあった2017/03/14

ふりゅしーお

2
昨今我が国ではAO入試の増加、定員割れによる全入現象の発生などにより学歴の形骸化が進み、大卒人材に対するそれまでの評価の見直しが行われている。一般に大卒の評価が低下していると言われている中で、この本は学歴が所得に対してどのように影響してくるかをデータを示しながら検証し、世間で言われているほど大学を卒業することによる効用が低くなっている訳ではないと論じた。特に就職後の所得の向上について、自己学習習慣がそれに影響するのは大卒以上の学歴のみというデータは非常に興味深いものであった。2014/05/03

coldsurgeon

2
学歴というの、効用があるのかないのか、を論じた社会論。面白い内容です。「大学に進学することで得られる時間を読書に費やした人は、就業後も読書を続け、所得の違いを生み出している」データを示すのは、読書が利用されるようで好きではないが、事実なのであろう。もちろん、娯楽本やコミックの読書には、その効用はないらしい。学歴・読書に、効用を求めたくないが、今どきの子供は、すぐ効用を求めるから、考えないと。2013/09/15

44KW

1
友達が読んだ本として紹介してたので、タイトル気になって読んでみました。 学びの場としての大学の必要性など、非常に興味深い内容でした。ただ、学術論文的な本だったので、少し、読み進めるのが大変でした。2025/01/26

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