内容説明
人口で中国を上回って世界一に、GDPでも英仏を抜き第5位に。近年では「グローバル・サウス」と呼ばれる新興国・途上国のリーダーと目されることも増えたインド。複雑化する国際政治のなかで展開する独自外交も注目されている。長くインドを研究する経済学者が、財閥の盛衰や成長を続けるIT産業などビジネス面から、米・中・ロとの外交の検証、さらには格差問題の現状、日印関係の今後まで幅広く解説する入門書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
75
著者は開発経済学者であり、モディ政権を中心とした最近のインドの政治・経済・外交・貿易をコンパクトに概説している。特に日本企業の動きなどはかなり細かいところまで言及されていて、実務的な仕事をされていた著者らしい。故安倍晋三が日印関係のキーパースンだったことは初めて知った。インドのグローバル・サウスのリーダーとしての動きを、ネルーの非同盟時代からの連続で見る視点は面白い。つまり第三世界の現代的表現がグローバル・サウスというのは腑に落ちた。一方宗教やジャーティなどの文化・社会的な面はあっさり触れられる程度。2023/10/30
kk
31
図書館本。インドの足元の経済状況やその背景を、一般向けに丁寧に紹介。その上で、同国の今後の発展に向けた展望や、日本企業のインド展開に伴う課題などを概説。内政・安保・社会問題等は飽くまでも経済のバックグラウンドとして言及されている観があり、いわゆる地政学的なり戦略論的なりの観点はかなり希薄。最近までの緻密なデータや事案などが丁寧に扱われ、事実を以て語るといった体裁。講談的で雑駁なインド論が氾濫しがちな中、本書の堅気さは特にナイス。勉強になります。他方、それだけに、読み物として楽しいかと言えば…。2024/09/16
原玉幸子
19
読んだ方がいいのかと問われれば「読んだ方がいい」ですが、ビジネス他で実体験がある印度「経験者」や、佐々井秀嶺や遠藤周作に関わる書籍他を何冊か読んだことがある人にとってみれば、読まなくてもいいかと問いには「読まなくてもいい」と答えると思います。宗教、カースト、有力財閥、IT人材、パキスタン他外交、モディ首相、ジェネリック。BRICSにグローバルサウス等を、繋げて、或いは全体観でばくっと把握出来れば、「インド出来上がり」。後は新聞記事や雑誌等で情報をアップデートすればOK。(◎2025年・春)2025/02/16
金吾庄左ェ門
19
億単位の貧困・ニート・非熟練労働者は置いといて、1991年の規制緩和に始まる経済的発展はインドの政治的発展であり大国への飛躍と言っても過言ではないでしょう。インドという一つの国としては(核という背景があるにせよ)非同盟を貫き、アメリカ・ロシア・中国・台湾と手玉に取るとまでは言わなくとも巧みな外交を展開しています。ただ大国(グローバル・サウス)の盟主を気取るにしてはまだまだ微妙な感じもします。2024/09/15
さとうしん
17
インドの国政、地方政治、産業と経済、財閥、人口問題、カーストや宗教とも関係する貧困や格差の問題、環境問題、外交、日本との関係等々、思いつく限りの話題が取り上げられている。足りない部分といえば、近年注目されている映画など文化面ぐらいか。地方で地域政党が強いことや、ロシアとの歴史的な結びつき、ITなど中国と比較する形での産業の特徴と限界については勉強になった。2023/10/03
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