性差別の医学史 医療はいかに女性たちを見捨ててきたか

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性差別の医学史 医療はいかに女性たちを見捨ててきたか

  • 著者名:マリーケ・ビッグ【著】
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  • 双葉社(2023/09発売)
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  • ISBN:9784575318234

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内容説明

医学はいつになったら「本当の科学」になるのか?

「心臓発作は“ヒステリー”」
「HPV(ヒトパピローマウイルス感染症)は“女性だけの病気”」
「卵子は“精子をただ待つ無力な存在”」…

心疾患、骨、幹細胞、更年期、セックス、ホルモン、そして生殖。
長らく「男性の身体」だけを基準としてきた医学は、いつしかあらゆる領域に男性優位主義を浸透させ「非男性の身体」の声を聞くことなく発展した結果として、人間を測りまちがい、不平等を温存し、健康を害しつづけている。
この現状をいかに正し、医学と科学をいかに未来に導くべきか。医療をジェンダーバイアスから解放し、「すべての身体」を救うものにするための必読書。

[目次]

はじめに:「自然な」女性

第一部 得体のしれない身体

第1章 婦人科学と女性の人生
第2章 セクシーな研究
第3章 「ウェルネス」と「エンパワメント」
第4章 潮を吹く女たち
第5章 ホルモンを解放せよ


第二部 誤解された身体

第6章 無視される痛み
第7章 心臓(ハート)のフェミニズム
第8章 骨の詩(うた)を聴け
第9章 がんとグローバリズム
第10章 精子と卵子の神話


第三部 未来の身体

第11章 フェムテックのジレンマ
第12章 クリテラシーを養おう
第13章 サイボーグであるわたしたち
第14章 人工子宮に宿るもの

心臓発作の際、女性が誤診を受ける確率は男性より55%高い。処方される鎮痛剤が同じなら、女性は男性より中毒になる可能性が高い――なぜ、こんなことになるのか?

古代ギリシャのヒポクラテス以降、白人男性の体を基準に発達してきた西洋医学。すなわち、今日私たちが使っている薬や治療法の大部分は、男性の身体のために男性が設計したものである。
男性と女性では実際にはホルモンバランスも体組成もすべてが違うにもかかわらず、私たちが学校で教わったのは、せいぜい生殖器官の違いくらいではなかったか? 社会が女性を「生殖機能」としてのみ認識してきた結果生まれた、男性基準の「医学はジェンダーニュートラル」という神話。それは女性をはじめ、男性優位社会において周縁化された人々の健康を長らく危険にさらしてきた。

本書では気鋭の社会学者が、こうした欠陥のある考え方がいかに女性、そしてトランスジェンダーやインターセックスといった「非シス男性の身体」に対する知見を不足させ、基礎研究を貧しくし、医療を個々の患者に最適ななケアから遠ざけているかという医学界の現状を示す。女性の身体が性、心臓、骨、痛みといった分野においていかに無視され、誤解され、先端医療の研究のなかで搾取されてきたか、また、家父長制的な社会文化がいかに人類全体の健康に有害であるかを解き明かす。

視野狭窄に陥ったまま発展してしまった医学を今こそ見つめ直し、その可能性を拡張するため、最新研究やデータはもちろんフェミニズム、SF、アートなどとも領域を横断しつつ「どうすれば、科学は誰にとってもいいものになるのか?」という問いを投げかける一冊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

たまきら

45
読み友さんの感想を読んで。医学は男性(特に欧米の)を治療することを目的として発展してきた科学だ。「そんなことないでしょ」という方にはこう言えばわかってもらえるだろうかー「お金持ちを治すために発展してきた」と。女性は妊娠出産に伴う苦痛を「母になるための通過儀礼」として無償で向き合うことを余儀なくされている。「病気ではない」から健康保険も適用外だ。私たちの体は男性とは違う。そろそろ医学にもフェミニズム視点をーその心意気や良し。「真に優れた科学」を求める気持ちには賛同したい。2025/06/19

kitten

10
図書館本。医学は男性中心に発展してきており、女性での臨床試験をしていないこともある。その辺の話かと思ったら、もっとセクシー(刺激的)な内容だった。見方が変わればここまで変わるか?と、ちょっと刺激的すぎてついていけないところがある。日本だとまず受け入れられないだろうなあ。女性の射精とか、クリテラシーとか、私にはついていけないし、これについて語れる社会でもないよ。人工子宮の話もやばい。もちろん、すぐに進むとは思えないが、日本だと猛烈な反発が予想される。いや、刺激的だわ。2023/11/17

noko

7
女性は出産能力によって定義されるという考えは世界中に広まっている。女性が適当にあしらわれ、情報が不足していたり、不適切治療をされるのは婦人科に限らない。女性の体は男性と異なる働きをする。心疾患は未だ男性の病気とみなされていて、TVで見るような胸痛を女性は感じない。だから検査や薬処方もされにくく発作も誤診される。医学に限ると女性の一生は初潮〜出産をもってほぼ終了すると言って差し支えない。でもこのタイムラインには現実の女性に必要な殆ど全てが欠けている。人種差別も酷く黒い肌は厚く神経終末が少ないから感度が低…2025/05/08

アル中の魔女

3
医学史というタイトルではあるが書内で語られる問題の多くが現在進行形である。心臓の性差や人工子宮に関するトピックが興味深かった。2023/12/01

読書家さん#VWG0AV

2
2023年12月、「妊娠のつわりの原因を特定」と題したネットニュースが流れてきた。これだけ医学が発展しているにも関わらず、数多の妊娠女性が経験するつわりの原因物質が解明されたのが2023年というのは遅すぎるのではないか。そんな疑問から私自身(女性)、産婦人科医療に対する不信感を抱くようになった。 本書では医療の分野においていかに女性が不平等に扱われているか。家父長制の価値観を土台にして発展してきた医学に潜む性差別を具体的な事例を紹介しながら論じている。 読めば小さな違和感が確信へと変わる。2024/07/03

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