内容説明
ロシア・ウクライナ戦争の現況と行方は
ウクライナ戦争から500日が過ぎ、
いよいよウクライナの反転攻勢が始まった。
しかしロシア、ウクライナ双方が苦戦を強いられ、膠着する戦線。
戦争の終わりは見えず、2024年のロシア大統領選を見据えると、
もはや4年目への突入が現実となりつつあるという。
この「終わらない戦争」、そして世界秩序の行方は――。
『ウクライナ戦争の200日』(文春新書)、『ウクライナ戦争』(ちくま新書)に続くロシア・ウクライナ戦争の著者最新分析。
『ウクライナ戦争の200日』でも一つの核をなした高橋杉雄さんとの戦況分析を中心に、本戦争がもたらした日本人の戦争観や安全保障観の変化、終わらない戦争の終わらせ方などを語る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
90
この本が出てから10ヶ月を閲したわけであるが、ウクライナの「反転攻勢」なるものはロシア軍の防衛戦を突破できず、塹壕を巡る消耗戦となっている。掲載地図と代わり映えしない現況を見れば、西側戦車による機動戦も潰え、最近のニュースでは西側戦車は前線から引き上げられていると言う。現実とは事ほど然様に盛り上がりに欠ける。何れにせよ、日本はロシアを敵とみなしている訳なので、ウクライナの運命は自分ごとの様に考えるべきだろう。2024/04/28
Koning
43
デジタル文春の動画の対談纏め的新書。対談ではあるが、戦争終結の著書がある千々和さんや一部でコンビ扱いされた高橋杉雄さんに中国専門家の熊倉さんの専門家お三方との対話は密度と濃度が濃い。2023/10/20
よっち
37
いよいよ始まったウクライナの反転攻勢。しかしなかなか終わらない戦争の状況を踏まえ、日本人の戦争観や安全保障観の変化、終わらない戦争の終わらせ方などを語る一冊。双方が苦戦を強いられ膠着する戦線。戦争の終わりは見えず、もはや4年目突入が現実となりつつある状況を、高橋杉雄さんとの戦況分析や、千々石泰明さんと終わらない戦争の終わらせ方などを対談形式で語る一冊で、時期的に語られる状況がやや古い箇所もありましたが、ロシアが置かれている状況の分析や、日本が直面している東アジアの情勢をどう考えるべきか興味深く読みました。2023/10/12
楽
35
23年9月。不謹慎だが、面白くて三日ほどで読み終えてしまった。特に高橋氏との対談は楽しい■「四年目が見えてきた」というのはロシアが大統領選後に動員をかけて、それが前線に投入されるまでのタイムラグを考えると25年になるという話■23年6月の対談では、お互いが戦力を使い果たしてして10年くらい消耗戦が続くような「パレスチナ化」するのではとの指摘があるが、10月にパレスチナが火を吹いてしまった■ロシアからすれば(少なくともすぐには)戦争を終わらせる必要はないが(ジョージアやアルメニアを見よ)、2024/01/11
ピオリーヌ
24
2023年の刊。双方ないし片方が物理的に戦争遂行不能になるところまで行かないと、この戦争は終わらない。そこから分断線が引かれて停戦となる、朝鮮戦争型のシナリオが、許容できるギリギリのラインだと小泉氏はいう。2024年、戦争は未だ終わる気配を見せない。2024/05/20




