内容説明
ハウスクリーニングサービスで働く高岡紅は、丁寧な仕事と気配りで依頼人からリピート指名が入るほど信頼を得ていた。だが、入社当時からさほど変わらぬ待遇や問題の多い部下に腐心する日々に疑問を抱いていた。
そんな折、母・奈津子から独立を後押しされ起業を決意する。仕事は軌道に乗り、リピート客である船場薫の強い勧めで新事業「開運お掃除サービス」を立ち上げる。薫の仕掛けで紅のブログがインフルエンサーの目に留まり、書籍化も決定。初セミナーも大成功を納め、カリスマ指導者として一躍時の人となった。
そんなある日、紅のメソッドを曲解した一部の会員の行動がSNSで批判され大炎上。窮地に追い込まれた紅は起死回生を試みるのだが……。
承認欲求と自己啓発の闇を撃つ問題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
117
「一度つき始めた嘘は、徹底してつき通す他にない」…「開運お掃除サービス」の事業を立上げたころはそんなことも思ってなかっただろうに、自分の意思とは裏腹にどんどんエスカレートして引き返せなくなっていく様子が恐ろしい。そんなまがい物の言葉にも励まされ前を向ける人たちもいると思うと言葉の持つ力は凄いなと感じる。ボロボロになってしまった紅だけど彼女なら本物の愛をいつか誰かに届けられる日がくる。そう信じたい。最終的に紅がどんな風に着地するのか気になって一気に読めたし楽しめました。2024/02/07
itica
89
私たちは日々迷いの連続だ。大小の差こそあれ悩みは尽きることが無い。そんな時に掃除で運が開けるとなれば実践したくもなるだろう。そうか、人はこうやってのめり込んで行くのかと、具体例を示された気持ちで読んだ。ハウスクリーニング会社に勤務する紅(べに)が独立した当初は、こんな目論見はなかったはずだ。弁が立ち、周囲の後押しもあり、掃除開運セミナーを持つまでになった紅。しかし虚像はいつかは崩れ去る。現実にもありそうな怖い話だった。 2024/04/18
ゆみねこ
79
ハウスクリーニングの仕事をしている高岡紅は独立し、「開運お掃除サービス」を立ち上げる。紅のブログがインフルエンサーの目に留まり書籍出版とセミナー開催と一躍人気者に。自己啓発・承認欲求、中々考えさせられる内容に一気に引き込まれた。2024/02/08
チーママ
67
12月も半ばを過ぎると大掃除が頭をよぎる。本を読んでいる暇があったらさっさと始めろ〜と命じるもう一人の私がいる。それに抗うように読んだ本が掃除を題材にした作品とは…(笑)。ハウスクリーニングの仕事から汚部屋に住む顧客らの悩みや苦悩を知った高岡紅は、掃除をすれば事態は好転するのだと励ます。変わっていく彼らに手応えを感じた紅は「開運お掃除サービス」を起業するが…。良かれと思って始めたこととはいえ嘘で固められた砂上の楼閣。逆回転していく怒涛の終盤には流石に心が痛んだけれど微かに希望の見えるラストにホッとした。2023/12/20
えんちゃん
67
虚が実を超えたらあとは崩壊するのみ。ハラハラしながらあっという間に読了。掃除屋から起業しカリスマお掃除コンサルに成り上がった女性の栄光と転落の物語。掃除だけで開運するとは思わないけど、やっぱり綺麗にする心掛けは生きる上で大切。原点に返った紅に射す光は、希望の光でありますように。2023/11/28




