差別の哲学入門

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差別の哲学入門

  • 著者名:池田喬/堀田義太郎
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • アルパカ(2023/09発売)
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  • ISBN:9784910024028

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内容説明

本書は差別的な行為、発言、あるいは偏見について日常でどう考えていいのかわからなくなったとき、「差別とはどういうものか」「差別はなぜ悪いのか」「差別はなぜなくならないのか」の3つの問いを通して、差別について具体的な事例を参考にして、哲学的に考える本

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

venturingbeyond

31
何が差別なのか、差別はなぜ悪いのか、差別はなぜなくならないのかという問を立て、それぞれについて丁寧な考察が重ねられていく。とりわけ、第3章で扱われている統計的差別、マイクロアグレッション、被差別者に沈黙をもたらすマジョリティの権力性、忌避的差別、潜在的偏見といったテーマについての論点整理は参考になるところ大。勤務校で人権教育主任を仰せつかっていることもあり、「共感、優しさ、思いやり」が強調される本邦の人権教育の課題を克服する方向性について示唆されるところの多い好著。2022/08/07

buuupuuu

12
言論の自由を擁護したミルの『自由論』を読んだときに、ヘイトスピーチはどうなるのだろうかという疑問を持った。本書で参考になるのは、差別行為が、社会的文脈の中で、他者に「劣った存在」というラベルを貼り付けるという意味を持っているという指摘である。これは相手から対等な立場での発言権を奪うということであり、まさに言論の自由を破壊するものだと思われる。本書を読んで思うのは、差別は複雑な構造をしているということだ。粗雑な理解で接すると却って差別に加担してしまう危険さえある。一度冷静に考えておくことが有益だと思った。2022/02/25

Schuhschnabel

8
海外では盛んだが日本ではほとんど紹介されていない「差別の哲学」という学問分野の概要をさらう感じの本。哲学という名称はついているものの、社会学や心理学の知見も援用される極めて学際的な研究分野である。そのため、哲学という領域の中で仕事をしていると、興味は持てども自分たちの研究領域ではないと認識してしまうのかもしれない。差別がなぜ悪いかを歴史的・社会的文脈から理解することはとても重要だが、自己責任論のイデオロギーと相性が最悪すぎて、果たして話し合いになるのだろうかという懸念を抱いた。2022/10/25

Bevel

7
サーベイとして勉強になる。書き方が曖昧なところもあるけれど、差別の哲学は「差別」について調べるときにすでに前提にしているものを分析するものという捉え方のよう。最終的には、接触理論と歴史の交点としての現象学的な語りの問題みたいなものがうっすらと浮かびあがってくる。全体的に、素朴な直感として持ってる人間記述のボキャブラリがこの分野では役に立たなくて、それが現象学かどうかはわからないけれど、新しいものが待ち望まれているという感じがある。2022/01/08

Yuka

6
読みたいなと思いながら2.3年積読にしてしまったけどDE&Iに携わりだしてからより意識するようになった「差別」。 この本にも差別のなくし方は書いてない。でも、何が差別なのかが丁寧に整理されていた。差別がなぜなくならないのかの章を読むと高い壁過ぎて、私にできることなんてないんじゃないかとも思ってしまう。 それならば、「差別はあり続ける」と仮定した上で「どうしたら乗り越えられるのか」を問い続けた方がいいのかもしれない。 答えがでないからこそ、この問題は問い続けないといけない。2024/12/02

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