ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 厳冬之棺

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ハヤカワ・ミステリ文庫
厳冬之棺

  • ISBN:9784151857515

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内容説明

上海郊外の湖畔に建つ陸家の館で殺人事件が起こる。現場は大雨で水没した地下室で完全な密室だった! 天才漫画家探偵・安 (あんしん)登場

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

285
論理的には穴だらけなのに雰囲気が一級品でかなり楽しめた。馬鹿馬鹿しい密室トリックはまさにカー彷彿で本格魂に溢れたもの。惜しむらくは、大技を炸裂させるための、その前後の理屈づけがかなり弱く、もともと本格ミステリが好きで読んでいる読者以外からは冷めた目で見られそう。オカルト風味を出すためだけに、理由の説明もないまま唐突に語られる一族の過去の因習や、どう考えてもコスパの悪いへその緒の演出など、削ぎ落としてしまうと味も素っ気もなくなってしまうので、もう少し上手く料理して欲しかった。この路線に拘って続けて欲しい。2023/10/31

青乃108号

166
中国発、謎の一族に起きる密室殺人物。天・地・水のそれぞれの呪いになぞらえた密室殺人が登場。2つの密室はなるほど、よく考えたな、と感心したものだが。ひとつは笑ってしまう程そんな馬鹿な、なトリックが登場し見ものである。全体的には意外と読みやすく、ところどころで明らかな誤訳や言い回 しのおかしい場所はあったけど気になる程ではない。漫画家が探偵役で登場。彼がさすがの観察眼で トリックを解明し、一族の呪われた真実と犯人を突き止める。までは良かった。そこで終わってれば良かった。そのあともダラダラと色々続くが要らない。2023/12/26

ちょろこ

128
楽しめた一冊。とても読みやすい華文ミステリ。舞台は湖のほとりに建つ、さまざまな噂が囁かれる陸一族のお屋敷。そこで起きた密室殺人事件を軸に、世にも恐ろしい呪いの伝説を絡ませながら最後まで一気に楽しめる展開で満足。本格とおどろおどろしさとエグさと軽妙な雰囲気の融合具合がこの作品のポイントかな。密室殺人のトリックは複雑に見えながらも図解入りでわかりやすく、可能かどうかはさておきなるほど感いっぱい。とある点からのぐるんとした展開も楽しめた。この作家さんは親日家なのかな、随所で日本なるものを感じられたのも良かった。2023/11/30

yukaring

100
オカルティックな雰囲気も醸し出す"THE密室ミステリ"ですごく面白かった。湖のほとりに建つ陸(ルー)家の半地下で当主の遺体が発見される。大雨で入り口が水没していたにも関わらず、遺体と床は乾いており誰も濡れずに侵入できたはずのない"水密室"。捜査が難航する中で嘲笑うように陸家で第2、第3の密室殺人が起こりなぜかどの現場にも嬰児のへその緒が置かれていた・・。全体に漂う怪奇的な要素と不可解な密室の謎がうまく絡み合って物語にグイグイ引き込まれる。アクロバティックな密室の真相にも脱帽の中国発本格謎解き小説の傑作。2023/10/30

雪紫

85
湖畔の館の一族、連続密室殺人と呪術。そこにオタク要素入り。漫画家探偵に声優が助手。華文ミステリ、日本の影響受け過ぎだろ!主にサブカルな意味で。だけどそれもあってか、探偵、刑事、一族諸共キャラが立って凄く読みやすくて止まらない(あの編集者絶対腐女子!)。第2の密室なかなか唸っただけに、最初の水密室「なんだこりゃ!!?」最後の密室「霞さんかよ!!!」と言うツッコミはしたものの(勿論良い意味で)、まさかの伏線総回収の真相に感嘆・・・!無駄がない!これは探偵の漫画も作者の他作品の探偵も読んでみたいやつ・・・!2024/02/14

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