山と溪谷社<br> ヤマケイ文庫 十大事故から読み解く 山岳遭難の傷痕

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山と溪谷社
ヤマケイ文庫 十大事故から読み解く 山岳遭難の傷痕

  • 著者名:羽根田治
  • 価格 ¥1,210(本体¥1,100)
  • 山と溪谷社(2023/09発売)
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  • ISBN:9784635049795

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内容説明

山岳遭難史に内包された「影」の部分に光を当てる。
木曽駒の学校集団登山や愛知大学山岳部の冬山合宿、西穂独標の高校生落雷事故、立山の中高年初心者事故、そしてトムラウシ山のツアー登山の遭難など、戦前から現代まで10件の重大事故を検証。
時代を反映した日本の山岳遭難事故を時系列で振り返る、貴重な記録の集大成。

近代登山の黎明期から、遭難事故は、登山が本来内包しているであろう危機管理の点からも、避けがたいものとして存在してきた。
なかでも多数の死者を出した大量遭難や、その時代背景を反映して話題となった歴史的な遭難事故も数多くある。
すでに遠い過去のものとなりつつある遭難事故もあるが、過去の事故を丹念に発掘し、再度、検証することも重要だろう。

本書は、そうした戦前から最近の事故までを概観した読みもので、次の10章で構成される。
1章1913年の「聖職の碑」木曽駒ヶ岳集団登山事故、2章1930年の東京帝大の剱沢小屋雪崩事故、3章1954年の富士山吉田大沢の大量雪崩事故、4章1955年のナイロンザイル切断事故、5章1960年の谷川岳一ノ倉沢宙吊り事故、6章1963年の薬師岳愛知大学大量遭難事故、7章1967年の西穂高岳落雷遭難事故、8章1989年の立山での中高年大量遭難事故、9章1994年の吾妻連峰スキー遭難事故、10章2009年のトムラウシ山ガイド登山遭難事故。
時系列で上の10件の遭難事故を振り返るが、学生の大量遭難や落雷事故、中高年初心者の事故やガイド登山の事故など、時代を反映したもを特に取り上げた。
日本の山岳遭難の歴史を振り返ったものとして貴重な記録である。


■内容
第1章 木曾駒ヶ岳の学校集団登山事故
第2章 剱澤小屋の雪崩事故
第3章 冬の富士山巨大雪崩事故
第4章 前穂東壁のナイロンザイル切断事故
第5章 谷川岳の宙吊り事故
第6章 愛知大学山岳部の大量遭難事故
第7章 西穂独標の学校登山落雷事故
第8章 立山の中高年初心者遭難事故
第9章 吾妻連峰のスキーツアー遭難事故
第10章 トムラウシ山のツアー登山遭難事故
文庫あとがき
解説 『山岳遭難の傷痕』からの連想(菊地俊朗)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

読特

40
●小学校の集団登山を台風が襲う。あるはずの山小屋。跡形もなく崩れ落ちている●切れるはずのないナイロンザイルが何故切れたのか?決着がついたのは21年後●大学山岳部のパーティ皆が帰らぬ人に。乱雑に残された山小屋の跡。未だ果たせぬ部の復興。●高校行事の集団登山。ピンポイントのはずの落雷が多数の命を奪う。そのメカニズムとは?●危機意識の低さで多くの命を失った中高年パーティ。取材を断った生存者2名の思うところは?…恐ろしくも魅力溢れる山。大胆さがなければ挑めない。臆病さがなければ助からない。悲しい事例に多くを学ぶ。2023/11/04

Shoji

32
実際に起きた山岳遭難事故を題材にしたノンフィクションです。悪天候による遭難が殆どですが、引き返す勇気があれば防げた事故が多いようです。ただ、私自身、山歩きを趣味にしていますが、引き返す勇気、引き返す判断は簡単そうに見えて、なかなか難しいものです。山を甘く見てはいけないことを改めて思い知りました。2024/04/02

ハナ〇

4
10の遭難事故について端的にまとめられているのに、一つ一つとても読み応えがあった。筆者の資料を用いて経過を辿っていく視線は、事故を悲劇で終わらせず今に多くの教訓を伝えてくれていた。山は魅力的だけど、やはり怖いなとも思った。2023/10/07

だんだん

3
戦前から10年ちょっと前の遭難事故10例の解説と、原因に関する考察。トムラウシ山の遭難事故は、同じ著者によるレポート本で読んだことがあっ改めて残念な事例であった。自身は、ツアーは利用しないものの単独で山に登ることもあり、独行における見極めは慎重にならないと…という思いを改めて持った。2023/11/17

さんま

3
日本の重大山岳遭難がまとめられており、生々しく感じた。それぞれの遭難にいくつものミスやターニングポイントがあり、それらが重なったときに重大な事故が発生すると読んでいると分かるが、実際現場にいた時にそれを判断できるのか難しく気がついた時には取り返しのつかない事態に発展しているケースがほとんどのように思われた。2023/10/07

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