迷彩色の男

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迷彩色の男

  • 著者名:安堂ホセ【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 河出書房新社(2023/09発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309031415

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内容説明

〈怒りは屈折する〉。――都内のクルージングスポットで26歳の男が暴行された姿で発見される。事件の背後に浮かびあがる”迷彩色の男”を描いた、最注目作家の第二作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

236
第170回芥川賞候補作第一弾(1/5)、安堂 ホセ、第168回候補作『ジャクソンひとり』に続いて二作目です。まだ候補作1作目なので何とも言えませんが、インパクト&先進性からすると芥川賞受賞もあると思います。但し、山田 詠美&ゲイの選考委員(存在していますでしょうか❓)が強く推さないと難しいかも知れません。 https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309031415/ 【読メエロ部】2023/12/30

パトラッシュ

181
男色がテーマの小説は、どうしても『禁色』と比較してしまう。正統な文体と展開でゲイの心情や社会との関係を描く三島に対し、本作は散文詩風な文章でハッテン場へ出入りする主人公の経験を断片的に紡ぐばかりで、特に性的少数者に対する差別問題を訴えるわけでもない。都会の夜に男が男を求める暗くぐじぐじとしたドラマが中心で、三島が好んだ眩しい夏の太陽に照らされた明るい昼のシーンはほとんどなく、性的描写は濃厚だがエロティシズムは皆無だ。綺麗事の正義を掲げる一般社会と、性的志向に忠実に生きるゲイの世界の断絶こそが中心と思える。2023/11/05

のり

85
ブラックミックスでゲイのマイノリティ。絶対に取締りの対象となるはずの「ファイト・クラブ」。全裸の男達の社交場。傷害を皮切りに、様々な暴力と偏見が入り乱れる。正直、難しい一冊だった。2024/07/17

いたろう

77
芥川賞候補ということで手に取った。デビュー作である前作も芥川賞候補だったようだが、そちらは未読。前作から続くらしいテーマとして、ブラックミックスのゲイが出てくるが、これは、作者自身の境遇なのか。LGBT、人種に対するヘイトクライムが描かれ、舞台は、国会議員が、LGBTのために税金を使うのはおかしいという発言をして物議を醸した2018年になっている。その問題提起の意図は分かるし、決して、LGBTに偏見はないつもりだが、BLと呼ばれるマンガ、小説とは一線を画すハードな描写は、これがリアルなのか、読むのが辛い。2024/01/14

なゆ

68
ずっと地下の暗いところにいるような感覚で読んだ。赤と青の明滅、濃密な人のうごめく気配、何かに追われるような追ってるような、緊迫感。クルージングスポットで起こった事件から、何かが狂い始めたのか。怒りの矛先がどこに向かうのかわからず、最終的にはもっと違うものに向けられてる気がする。常にカムフラージュしていないとヘイトの刃を向けられかねない、迷彩色の男たちってことかな。2024/02/22

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